企業入社難易度ランキング

「企業入社難易度ランキング2021」電機・電子 ソニー、日本IBM、キーエンスのトップ3が安定

2021.11.30

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井沢 秀
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大学入学時の難易度が高い、つまり地頭がよい学生は、就活でどのような企業を志望し、また企業は実際にどのような大学の学生を採用しているのか。大学通信は大学へのアンケート調査で収集している企業別就職者数と、大学入学時の偏差値を組み合わせて、「企業入社難易度」を算出した。業種別の今回は、電機・電子。大学通信の井沢秀・情報調査・編集部部長が解説する。

業績好調のソニーは2年連続トップ

電機・電子は採用数が多く、採用大学の裾野が広いため、入社難易度は比較的に低く抑えられる傾向にある。そのため、全ての業種を合わせた総合順位で100位以内に入る企業は4社と少ない。

トップは前年と同じソニーグループ。ゲーム、半導体、音楽、金融、映画など多角的な事業を展開し、理系学生の人気が高い。音楽や映画などのサブスクリプション(継続課金)が好調で、2022年3月期の連結営業利益は初めて1兆円の大台を超え、1兆400億円になる見通し。製造業で営業利益が1兆円を超えるのは、国内ではトヨタ自動車に次いで2社目になる。

ただ、入社難易度は前年とほぼ同じだが、総合順位は前年の31位から51位に下がった。採用大学は、慶應義塾大(45人)、東京大(44人)、東京工業大(43人)、早稲田大(33人)、東京理科大(23人)などとなっている。

家電メーカーでは、パナソニックが8位に入った。本社が大阪府門真市にあることから、採用が多い大学は大阪大(38人)、同志社大(31人)、早稲田大(28人)、京都大(27人)、立命館大(21人)などとなっており、関西の大学が多いのが目につく。

2位は日本IBMで、昨年の3位から上がった。米IBMが開発したWatson(ワトソン)を導入したAI(人工知能)技術とクラウド技術を活用し、IT関連の製品やサービス提供を主力業務とする。採用大学は、早稲田大(60人)と慶應義塾大(44人)が多く、明治大(21人)、同志社大(18人)、上智大と東京理科大(各17人)が続く。

IT関連企業では、富士通が9位。入社難易度は昨年より0.4ポイントと小幅なダウンながら、前年の5位から順位を下げている。採用大学の最多は早稲田大(85人)で、慶應義塾大(68人)、大阪大(30人)、東京工業大(28人)、北海道大、横浜国立大、神戸大(各26人)が続く。

3位のキーエンスは、自動運転などで需要が高まっているセンサーや、測定器、タッチパネルなどの精密機器を開発・販売する。自社工場を持たない経営手法による収益力の高さや、国内で最高水準の年収で知られ、難関大生の人気が高い。

採用数が多い大学は拮抗しており、東京大(13人)、慶應義塾大、早稲田大(各12人)、立命館大(11人)、明治大、同志社大(各8人)などとなっている。

7位の横河電機は、計測、制御、情報の技術を軸に、工業計器や制御システムを主力事業にする。採用が多い大学は、電気通信大、東京工業大(各4人)、大阪大、慶應義塾大、早稲田大(各3人)など。

上位3社の入社難易度は前年と大きく変わらず、安定している。そうした中、入社難易度が昨年より2.2ポイント上がり、14位から4位に順位を上げたのが、ファナック。NC工作機械や産業用ロボットで世界トップの企業だ。採用大学は、東京大(8人)、東北大(6人)、慶應義塾大(4人)、東京工業大、名古屋大、九州大(各3人)などとなっている。

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