学習と健康・成長
見る力を育てる「速読解力」トレーニング 学習塾やスポーツ部活での導入例も
2021.12.09

部活動でも導入。スポーツにおける速読解力の効果
ーー野球やバスケットボールなど、スポーツの部活動でも「速読解力講座」が導入されているそうですね。
はい、一部の高校や大学の部活動で導入され、生徒がトレーニングを継続しています。ただ、部活動で導入されている講座は、「スポーツビジョンコース」というトレーニング名で普及しており、教育機関で導入されている「速読解力講座」よりも、眼の機能を鍛えることに注力した内容です。
動くものをはっきり見る「動体視力」、瞬間的にパッと見る「瞬間視」、鮮明に見える範囲を広げる「視幅拡大」など、集中的に眼の機能を鍛える内容が、1回10〜30分のトレーニングに盛り込まれています。こういったスポーツに必要な視覚機能の総称を「スポーツビジョン」と呼び、スポーツの技術向上において欠かせない機能だと言われています。
ーー受講した生徒たちに、何か変化は現れていますか?
2012年からビジョントレーニング講座を導入している国立大の硬式野球部では、練習前や合間などに不定期でトレーニングを重ねたところ、6ヵ月から1年間で徐々に効果が現れました。ある生徒は、バッティングの際にボールの動きが以前よりゆっくりに感じたとのこと。また、チーム全体に「科学的に裏付けされたトレーニングとしてスポーツビジョンを理解し、真剣に取り組んでいこう」という前向きな雰囲気が生まれたそうです。

また、2010年から導入している県立高校の女子バスケットボール部では、週に1回、部活が休みの日にトレーニングを行い、1年ほどで効果を実感できたそうです。トレーニングを行った高校3年生の18名(男子8名・女子10名)へアンケートを実施したところ、全員が「見え方」の変化を感じていました。特に「視野の広さ」と「ボールの見え方は」は、変化がわかりやすかったようです。

弊社では、スポーツの技術向上は派生的な速読解力の効果と捉えており、部活動での導入を積極的に推進しているわけではありません。ただ、スポーツビジョンを鍛えることに注力している部活動では積極的に「スポーツビジョンコース」が導入されており、変化が出ています。学習効率向上を目的に「速読解力講座」を受講していたところ、スポーツの技術向上を実感した生徒もおり、派生的に効果が出ることは十分に考えられます。
(写真提供:株式会社SRJ、編集:野阪拓海/ノオト)