コロナ禍2年目の大学入試

大学入試直前情報◆河合塾・近藤治さん「地方から東京の大学への志望が戻りつつある」

2021.11.30

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中村 正史
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新型コロナウイルス下で2回目、大学入学共通テストの導入2年目になる2022年度大学入試の一般選抜(一般入試)が近づいてきました。10月ごろから新型コロナの感染が収まりつつありましたが、受験にも変化が起きているのでしょうか。模試の志望状況をもとに、最新の動向を河合塾教育研究開発本部の近藤治・主席研究員に聞きました。(写真は、初めての共通テストに臨む受験生たち=1月16日、九州大学)

近藤治

話を聞いた人

近藤 治さん

河合塾教育研究開発本部主席研究員

(こんどう・おさむ)河合塾入塾後、教育情報部門で全統模試のデータをもとにした大学入試動向分析や進学情報誌の編集に携わる。教育情報部部長、中部本部長などを経て、2021年4月から現職。=撮影・大嶋千尋

国公立、私立とも志望者が増加

――新型コロナの感染が10月ごろから収まってきていましたが、大学入試の志望動向に変化はありますか。

変化は出てきています。10月下旬に行った模試では、国公立大の志望者数は昨年比の指数(百分率)で103、私立大は102です。私立大は大きく減少した前年から回復していますが、共通テスト利用方式が115と増えており、一般方式は97です。ただ、共通テスト利用方式は、共通テストの平均点次第で状況が変わります。

10月模試での一番の変化は、遠隔地の受験生が東京の大学を再度、視野に入れ始めたことです。昨年は新型コロナウイルスを懸念して、遠隔地から移動して首都圏の大学を受験することが敬遠され、今年夏の模試までは同じ傾向が続いていました。10月模試では、北海道や九州、中国・四国から首都圏の大学を志望する受験生が戻りつつあります。ただ、東北や甲信越ではこの傾向がまだ見られません。コロナがこのまま沈静化する状況が続けば、東北や甲信越からも戻ってくる可能性があります。

――すでに出願・選考が行われている総合型選抜や学校推薦型選抜はどうですか。

速報値ですが、総合型選抜は国公立大が昨年比96、私立大が79で、私立大は昨年よりかなり減っています。学校推薦型選抜は、国公立大が昨年並み、私立大は112と増えています。総合型選抜はかつてと違って、活動実績や書類作成などの準備が大変です。今の高3生は高2の春から学校が休校になり、「一番かわいそう」と言われる学年で、校内で活動の中心になる高2の時の経験が少ないのかもしれません。総合型選抜より学校推薦型選抜の方に流れているようです。

――国公立大の志望状況はどうですか。

難関大志向が増えています。難関10大学(旧7帝大、東京工業大、一橋大、神戸大)の志望者数は昨年比107です。東大は113、京大は110で大きく増えそうなほか、北海道大114、一橋大114、東京工業大109と高いです。現役生は志望を下げておらず、浪人生はこのレベルの大学を狙う人が多いです。10大学全体での浪人生の志望者数は、昨年比121になっています。

東大は科類別では理科二類が増えています。京大は工、農、薬学部などが特に増えています。ただ、志望者の模試での得点率が昨年と変わらない東大に比べて、京大は例えば工学部では、得点率が昨年より低い志望者が増えており、チャレンジ層が多いといえます。

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