コロナ禍2年目の大学入試

大学入試直前情報◆駿台・石原賢一さん「文系が復活、国公立は強気の志望目立つ」

2021.12.02

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中村 正史
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新型コロナウイルス下で2回目、大学入学共通テストの導入2年目になる2022年度大学入試の一般選抜(一般入試)が近づいてきました。10月ごろから新型コロナの感染が収まりつつありましたが、受験にも変化が起きているのでしょうか。模試の志望状況をもとに、最新の動向を駿台教育研究所の石原賢一・進学情報事業部長に聞きました。(写真は、共通テストの開始前にノートなどを見直す受験生たち=1月16日、大阪大)

石原賢一

話を聞いた人

石原賢一さん

駿台教育研究所進学情報事業部長

(いしはら・けんいち)駿台予備学校に入職し、学生指導、高校営業、カリキュラム編成を担当後、神戸校校舎長を経て2017年から現職。

法、経済系の志望者が増加に転じる

――新型コロナが10月ごろから収まってきていましたが、大学入試の志望動向に変化はありますか。

文系の志望が復活しています。そもそも昨年が減りすぎで、文系の大学・学部にとっては暗黒時代でした。「文低理高」が緩和され、本来の姿に戻りつつあります。

10月中旬に行った模試で学部系統別の志望状況を見ると、国公立大も私立大も法、経済・経営・商が増加に転じています。志望者の前年比の指数(百分率)は、1年前(2020年/19年)は国公立大が法85、経済・経営・商86、私立大が法91、経済・経営・商94だったのが、今回(21年/20年)は国公立大がそれぞれ104、106に、私立大が108、102になり、プラスに転じています。

増加が目立つ法は、公務員志向の現れです。地方を中心に、地元の地方公務員になりたい人が増えています。地元志向や、転勤をいやがることも背景にあります。政令指定都市や東京23区の公務員も人気です。

地方はコロナ前までは外国人の観光客も多く、景気がよかったので仕事がありましたが、コロナで一変しました。ただ、25年の大阪・関西万博や26年の愛知県でのアジア競技大会があり、地方の景気も復活すると思います。

経済・経営・商は、志望者が戻ってきました。コロナ対策で国が大規模な経済対策を行うことが決まり、元々はコロナ以外の要因で志望者が減っていたわけではないので、経済が復活すれば志望者は戻ります。

――外国語、国際関係はまだ戻っていないようです。

外国語は国公立大で前年比92、国際関係は94、私立大はそれぞれ84、99です。私立大は外国語を国際関係に改組したところが多いのですが、海外留学できずにカリキュラムのメドが立たず、学費が高いこともあり、コロナの影響が一番残るでしょう。志望者が戻るのは2年くらい先ではないですか。

――理系は増加傾向が続いていますか。

薬の人気が高いです。コロナで創薬が注目された影響です。ただ、私立大の中堅以下は集まっていません。

看護を含む保健衛生はあまり増えていません。今春入試で志願者が多かった反動です。歯はその逆の反動で、国家試験合格率が低い大学を除いて志望者が増えています。

また、文理の狭間にあるデータサイエンスに志望者が集まっています。全体として、前年のような文低理高にはならないと思います。

――大学別の志望状況はどうですか。

難関私立大は上智大を除いてすべて志望者が増えています。今春入試で入試改革を行い、志願者が大きく減った早稲田大、青山学院大は、その反動で増えています。中央大が大幅に増えているのは、法学部を23年に都心に移転することへの先取りの人気だと思います。法政大、明治大も増えています。立教大は今春入試で受験日を増やしたことで、増加傾向が続いています。

上智大や獨協大の志望者が減少しているのは、外国語系のイメージが強いからでしょう。立命館大が増えているのは、今春入試で志願者が約2万人減った反動です。近畿大は来年新設する情報学部の効果で増えています。私立大の志望者は、併願を増やそうという動きがあります。

医学部医学科は、東京女子医大が前年比で25%減っています。今年度の入学者から学費を大幅に値上げした影響です。

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