一色清の「このニュースって何?」

新たなコロナウイルス変異株は「オミクロン株」 → ギリシャ文字って何?

2021.12.03

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一色 清
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身近に潜むギリシャ文字たち

ギリシャ文字は、私たちのまわりでも使われています。何かが加わることをプラスアルファといいますが、ここにはアルファが使われています。

放射線はアルファ線、ベータ線、ガンマ線、エックス線などに分かれます。アルファ線、ベータ線、ガンマ線は原子核から放出されるのでギリシャ文字でまとめられ、エックス線は原子核の外から出るので別にしてローマ字で表記されています。

地理に出てくるギリシャ文字はデルタです。川の下流の大きな三角州をデルタ地帯とよんでいます。デルタは大文字でΔと書きますので、三角州の形にぴったりです。

数学では、高校によっては代数中心を数学アルファ、幾何中心を数学ベータとよんで科目を分けているところがあります。また、円周率のパイ(π)や数列の総和を求めるときに使うシグマ(Σ)などもギリシャ文字です。

また、アメリカの航空会社のデルタ航空や時計のオメガなど有名な会社の名前にもギリシャ文字の読み方が使われています。

ギリシャ語の数を表す接頭語は今も使われています。日本語で書くと、モノ(1)、ジ(2)、トリ(3)、テトラ(4)、ペンタ(5)、ヘキサ(6)、ヘプタ(7)、オクタ(8)、ノナ(9)、デカ(10)です。1から10までをそれぞれ表しています。たとえば、モノレール(1本のレールで走る電車)、ジレンマ(2つのことに板挟みになること)、トリオ(3人組)、テトラポッド(4本の突起のある波消しブロック)、ペンタゴン(5角形、または5角形の建物であるアメリカ国防総省)、ヘキサゴン(6角形)、ヘプタゴン(7角形)、オクトパス(脚が8本あるタコ)、ノベンバー(古代ローマでは9番目の月)、ディケード(10年間)など、この接頭語を使った英語はいくつもあります。英語を勉強するときにmonoがつくと1に、triがつくと3にそれぞれ関係のある単語ではないかなどと考えればいいと思います。

また、化学では、高校生になると、炭素と水素だけから成るメタン系炭化水素について学びます。炭素の数によって名前がちがいますが、この名前もギリシャ語の数を表す言葉がもとになっています。炭素が一つのものがメタンで、二つ目から順にエタン、プロパン、ブタン、ペンタン、へキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカンと続きます。私の高校時代はずいぶん昔ですが、これを覚えるように先生に言われました。リズムをつけて口に出して順番に何度も唱えると、わりと簡単に覚えられます。今でも一気に言うことができます。

オミクロンという聞きなれない単語をきっかけにギリシャ文字について調べると、中高生の勉強のあちこちの場面で顔を出すことが分かりました。文化が発達していた古代ギリシャへの敬意からか、ギリシャ文字は学術用語によく使われているためです。

オミクロン株が日本でも猛威を振るうのかどうか、気が気でありません。感染対策を十分とりながら生活しましょう。

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