一色清の「このニュースって何?」

新たなコロナウイルス変異株は「オミクロン株」 → ギリシャ文字って何?

2021.12.03

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一色 清
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日々のニュースの中に「学び」のきっかけがあります。新聞を読みながら、テレビを見ながら、食卓やリビングでどう話しかけたら、わが子の知的好奇心にスイッチが入るでしょうか。ジャーナリストの一色清さんが毎週、保護者にヒントを教えます。(写真は、東京・渋谷の大型ビジョンを流れる、新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」の文字ニュース=2021年11月29日午後6時13分、諫山卓弥撮影)

ニューとクサイを飛ばした理由は?

南アフリカで新型コロナウイルスの新たな変異株が見つかり、世界は警戒感を強めています。日本でも入国者に感染者が見つかりました。世界保健機関(WHO)はこの変異株をオミクロン株と名付けました。世界の株式市場で株価が急落するとさっそく「オミクロン・ショック」などという言葉が出ています。あっという間にオミクロンという単語を覚えてしまいました。オミクロンはギリシャ文字だそうですが、ギリシャ文字って何?という疑問から調べると、英語、数学、物理、化学、地理などの勉強と関係があることがわかりました。

オミクロンとはギリシャ文字のアルファベットの15番目です。ギリシャ文字とは、古代ギリシャ人がギリシャ語を表記するために作った文字で、今のギリシャでも使われています。英語などローマ字のアルファベットは26文字、日本語の平仮名は46文字ですが、ギリシャ文字は24文字と少なめです。その順番は、英語ならabc……ときますが、ギリシャ文字ならアルファ(α)、ベータ(β)、ガンマ(γ)、デルタ(δ)、イプシロン(ε)、ゼータ(ζ)、イータ(η)、シータ(θ)、イオタ(ι)、カッパ(κ)、ラムダ(λ)、ミュー(μ)、ニュー(ν)、クサイ(ξ)、オミクロン(ο)、パイ(π)、ロー(ρ)、シグマ(σ)、タウ(τ)、ユプシロン(υ)、ファイ(φ)、カイ(χ)、プサイ(ψ)、オメガ(ω)となります。ちなみに英語のアルファベットの語源は、最初のアルファと2番目のベータを並べたアルファベータからきているそうです。

変異株はイギリス株、インド株など、最初に見つかった国の名前を使って呼ばれていましたが、WHOは差別や偏見につながるとして、2021年5月から意味を持たないギリシャ文字で表すことにしました。見つかった順にアルファ株、ベータ株、ガンマ株といった具合に名付けます。これまでミュー株までの12種類の変異株が見つかっていましたが、今回はミューの次のニューとクサイを飛ばしてオミクロン株としました。WHOは、ニューは新しいを意味する英語のニューと混同しやすく、クサイは英語でxiと表記し、xiを姓にする人が多いので飛ばしたと説明しています。ただ、中国の習近平国家主席の習が英語表記でxiなので、それを忖度(そんたく)して飛ばしたのではないかという疑いも出ています。

変異株は次々に出てきますので、24のギリシャ文字では足りなくなる恐れがあります。WHOはそのときには星座の名前をあてる見通しだそうです。

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