エデュアお悩み相談室

中学受験の勉強量に親子で閉口 遊びの時間つくれずモヤモヤ 小川大介さん「選択肢は三つだけ」

2021.12.17

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小川 大介
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  • 昔ながらの「子どもらしい育ち」を当てはめるのは無理がある
  • 中学受験は子どもの心に響く楽しみ、喜びに満ちている
  • 支える大人が学習をカスタマイズする必要がある

《質問者》私立中学受験のための勉強量の多さに、親子とも閉口しています。問題を解くのにとても時間がかかるため制限時間を設けるという方法も試しましたが、解ける喜びを取り上げてしまうことに疑問も感じます。子どもの成長にとって勉強以外の体験も大切なのではないでしょうか。遊びの時間をつくることもできずモヤモヤとした思いを抱えています。(東京都 小5男子の母)

今回の回答者は小川大介さん

《回答》学びの中に喜びを見つけ出して

中学受験を選択したご家庭の多くが直面する悩みですね。モヤモヤするのは当然です。中学受験とは子どもに不自然な負荷をかけるものであり、昔ながらの「子どもらしい育ち」をそのまま当てはめようとするには無理があるからです。結局、中学受験における選択肢は、①「子どもらしい育ち」を優先して受験をやめる②子ども自身の喜びは切り捨てて、受験の学習課題の消化を最優先にする③受験の学習の中に、子どもにとっての「遊び」や「喜び」を見つけ出していく、という三つだけなのです。

②は親にとっては簡単で分かりやすいですが、子どもの心へのダメージが心配です。ご相談者の場合は③を選ぶことになるでしょう。学習の中の遊び・喜びとは、知識が増える面白さ、問題が解決する気持ちよさ、計算をリズムよく進められる快感、歴史学習でドラマチックなストーリーを味わうワクワク感、理科実験での意外性と発見の喜び、といったことです。以前解けなかった問題が解けるようになった成長の実感や、コツコツ学習を続けられることへの自信、納得いくまで考えて答えにたどり着けた時の充実感などもそうですね。高度な学び、大量の知識に触れる中学受験は、実は子どもの心に響く楽しみ、喜びに満ちています。

ただし、③は簡単ではありません。親や塾の先生などお子さんの受験学習に寄り添い、支える大人たちが、「学びの中の遊び・喜び」を理解し見つけ出せる目を持ち、目の前の子どもへの理解を深め、学習をカスタマイズする必要があるからです。特に重要なのは、「やらないことを決める」勇気を親が持てるかどうかです。

私は6千以上の家庭の受験・子育てに深く関わってきましたが、中学受験を選んでよかったと親子ともに満足している家庭が圧倒的多数です。みなさん、失うものへの疑問、後悔よりも、いま取り組んでいる事柄の中に意味を見つけ出すようにし、わが子への信頼を深める努力をされてきました。ぜひご相談者にも、同じ満足を得ていただきたいと願っています。

小川さんの回答は今回で終わります。教育や育児、受験のお悩みに、子どもの学びや成長に詳しい専門家が交代でお答えします。子どもの年齢や学年、お住まいの都道府県名、具体的な相談内容をメールでエデュア編集部(edua-mail@asahi.com)までお送りください。掲載は匿名です。

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