中学受験オンライン相談室

第2回◆併願先に「安全校」を組み入れて、確実に「合格証書」を手にしよう

2021.12.22

author
加賀 直樹
Main Image

朝日新聞EduA編集部は12月3日、オンライン相談室「中学受験生が大幅増!? 後悔しない志望校選び」を開催しました。約2100人の参加応募者から寄せられた疑問や不安に、都内で中学受験専門塾を主宰する矢野耕平先生と、「新聞活用」連載でおなじみの清水章弘先生が答えました(司会は山下知子編集長)。そのエッセンスを5回にわたり再録します。(写真は、参加者の質問について語り合う清水章弘〈左〉、矢野耕平の両先生)

矢野耕平

話を聞いた人

矢野耕平さん

中学受験専門塾スタジオキャンパス代表

(やの・こうへい)1973年生まれ。大手進学塾勤務後、東京・自由が丘と三田で中学受験専門塾2校を展開。国語専科博耕房の代表も務める。著書に『男子御三家』『女子御三家』(ともに文春新書)、『令和の中学受験 保護者のための参考書』(講談社+α新書) 、『早慶MARCHに入れる中学・高校』(朝日新書・共著)など。2児の父。

清水章弘

話を聞いた人

清水章弘さん

「勉強のやり方」を教える塾プラスティー代表

(しみず・あきひろ)1987年生まれ。東京大学教育学部卒、同大学院修了。東京・京都・大阪で勉強のやり方を教える塾を運営。朝日新聞EduAで「200字まとめ作文」などを連載。TBS系「教えてもらう前と後」などテレビでは「赤門の神」の異名も。『自ら学ぶ子を育てる! 清水先生の自宅学習相談室』(朝日新聞出版)など著書12冊。

家の近くに併願校が見つからない

■お悩み・その③  近くの学校を希望していますが、併願校が見つかりません(第1志望は近くの学校ですが、やや厳しいです)。やや遠い学校を受験し、合格してから通うのを決めるか、ダメなら地元の公立中に進むべきか悩んでいます。 一方で、遠い学校へ入学したものの通学の負担で途中から行きたくなくなったら、と心配です。 (東京都・お勤め・小学6年)

矢野 東京都にお住まいで、「併願校が見つからない」。ひょっとしたら、レベル以下の学校に行く必要はないというお考えなのかな。お子さん、6年生ですよね。これまで多くの時間を費やして、中学受験勉強に専心してきたと思います。子どもたちがたとえ第1志望校でなくとも合格証書を手にしてほしいと私は願っています。お子さんの成績を冷静に考えて、「安全校」を組み込んでほしいと思います。どこまでを「遠い」というべきか。「60分以内」であれば、私は近いと思いますし、たとえ90分かかったとしても、電車の中での時間の使い方を工夫すればいい、と思いますけどね。清水先生は、遠距離通学をしていたのですよね。

清水 千葉・習志野からドアツードアで90分かけて、東京・新宿の海城中高に通っていました。楽しくて、好きな学校だったら喜んで通います。学年トップの子は2時間かけて通っていましたが、彼いわく「勉強は電車でやるもんだよ」って。とかく、電車通学は「無駄な時間」って考えられがちですが、「隙間時間」の使い方を工夫するトレーニングになる。もちろん、近いに越したことはないけれど、遠くても好きな学校であれば、それをポジティブに変えていく工夫はいくらでもできます。電車通学の人に、おすすめの勉強のやり方があります。駅間を走行中の2~5分間、英単語などを10個覚えます。駅に停車中の約30秒、覚えたことを急いでテストする。そうするとメリハリができるんです。

矢野 面白いですね。

清水 子どもにとっては遊び心も必要。駅に着いてドアがプシューって開く、開くまでは「セーフ」。自分でルールを作るんです。「ここからはアウト」みたいな。バッファーのある勉強のやり方だから、電車で塾に通う方は、それもすぐ使えると思います。

矢野 そうですよね。本当にそれを、その環境をどう生かすかってところですよね。

バックナンバー
入試・受験 最新記事
イベント 最新記事
新着記事
新着一覧
新着一覧

ページトップ