どうなる中学・高校入試

2022年度中学入試直前情報①声の教育社 過去問の売れ行きから見る注目校は?

2021.12.22

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葉山 梢
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首都圏の中学入試の出願が始まっています。首都圏を中心とする中学・高校入試の過去問題集、受験案内を発行する出版社「声の教育社」の社員で同社のYouTubeチャンネルにも出演する後藤和浩さん、三谷潤一さんに、過去問が売れている人気の学校や入試直前対策について聞きました。(写真は、YouTube「声教チャンネル」の一場面)

後藤和浩

話を聞いた人

後藤和浩さん

声の教育社 常務取締役

ごとう・かずひろ/塾講師を10年経験したのち、声の教育社へ編集者として入社。 現在は渉外業務が中心で、講演会や動画授業の講師も務める。

三谷潤一

話を聞いた人

三谷潤一さん

声の教育社 営業部長代理

みたに・じゅんいち/個別指導塾、地域塾などで教室長、中学受験部長を務める。2000年から声の教育社営業部に勤務。模試会場での保護者会、合同相談会などの講師も務める。

医学部への推薦枠がある学校が人気

――今年、過去問が売れている注目校はどこでしょうか。

後藤 昨年、今年と大きく伸びているのが独協です。2021年度入試(21年2月実施)で初めて2/1の午後入試を実施し、人気となりました。さらに、22年度に系列の独協医科大への推薦枠が新設されることとなり、医学部志望者や開業医の保護者から注目を集めています。中学受験は親御さんが夢を買っている部分もあり、日本大など医学部のある大学の付属校は強い。日大の付属校の中には、国公立大学受験に近年力を入れている学校もあります。そのようなハイブリッド型は特に人気ですね。

下は、過去問の出庫数が前年より伸びた学校です。出庫数は、倉庫から出荷される冊数のこと。「今年の出庫数÷前年の同じ時期の出庫数×100」で率を出しています。

声の教育社の過去問の出庫数が前年より伸びた学校<男子校>※数字は前年比
順位 学校名 2019年 2020年 2021年
1位 独協中学校 92.7% 112.6% 134.9%
2位 灘中学校 86.3% 84.1% 132.1%
3位 ラ・サール中学校 86.4% 83.6% 114.3%
4位 武蔵中学校 101.0% 97.0% 111.0%
5位 本郷中学校 101.6% 102.8% 109.2%
6位 慶応義塾普通部 99.3% 90.3% 108.9%
7位 サレジオ学院中学校 97.9% 99.2% 107.8%
8位 日本大学豊山中学校 109.8% 122.4% 106.6%
8位 早稲田大学高等学院中学部 96.3% 98.1% 106.6%
10位 東京都市大学付属中学校 103.8% 105.4% 106.3%

後藤 独協の21年度の午後入試は初年度ということで合格者を多く出していますが、22年度は人数が絞られると予想しています。

三谷 新しく午後入試を始めた学校の多くで、合格者の入学手続き率が予想より高くなり、翌年度は人数を絞り込んでいます。午後入試は1科目か2科目という学校が多く、理科・社会をやらずに国語・算数に絞って勉強してきた子も受けます。午後入試で受ける学校が「併願校」というより本命に近くなってきていると見ています。

声の教育社の過去問集=同社提供
声の教育社の過去問集=同社提供

――女子校はどうでしょうか。

三谷 カリタス女子、大妻中野、実践女子といった伝統校が人気です。コロナ禍で学校説明会や文化祭などの機会が減り、情報が入手しづらくなっている中で、親世代のイメージが良い学校といえます。

声の教育社の過去問の出庫数が前年より伸びた学校<女子校>※数字は前年比
順位 学校名 2019年 2020年 2021年
1位 カリタス女子中学校 91.8% 98.9% 127.3%
2位 大妻中野中学校 89.7% 95.1% 117.3%
3位 実践女子学園中学校 87.5% 105.5% 116.8%
4位 湘南白百合学園中学校 97.3% 100.3% 113.4%
5位 横浜雙葉中学校 104.1% 87.7% 113.2%
5位 東京女学館中学校 98.0% 92.6% 113.2%
7位 豊島岡女子学園中学校 96.4% 97.7% 112.7%
8位 吉祥女子中学校 96.4% 90.3% 112.6%
9位 神奈川学園中学校 98.4% 99.6% 112.0%
10位 女子聖学院中学校 94.3% 101.7% 109.4%
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