どうなる中学・高校入試

2022年度中学入試直前情報②サピックス 「台風の目」の広尾学園小石川 各家庭の基準で選ぶことが定着

2021.12.23

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葉山 梢
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見直される伝統校ブランド

――午後入試を実施する学校が増えていますね。

21年度(21年2月実施)に午後入試を始めた独協は、系列の独協医大への推薦枠が新設され、さらに人気を集めています。もともと規模の大きくない、まじめな良い学校でしたが、午後入試を始めたことで注目されることになりました。

午後入試は疲れるので、得意な科目で受けたいという人が多いはずです。湘南白百合は、これまで算数1科だった2/1の午後入試が、国語1科でも受けられるようになります。算数が苦手という子に歓迎されており、受験生の心理を捉えていると思います。

――新型コロナウイルスの影響はありますか。

昔からのブランドがある伝統校が見直されています。特に山脇学園、跡見学園、実践女子学園といった女子校は21年度に人気が復活し、22年度も継続しています。

以前は都内在住でも2/2や2/3に栄光学園、聖光学院、浅野といった神奈川県内の学校を受ける子がいたのですが、減りましたね。通学に無理がない学校の方がいいのか、2/2以降も本郷や渋谷学園渋谷、海城などを受験し、都内で完結するケースが増えました。

飛沫(ひまつ)防止の仕切りを設置した机で試験に臨む受験生=2021年2月1日、東京都世田谷区、瀬戸口翼撮影
飛沫(ひまつ)防止の仕切りを設置した机で試験に臨む受験生=2021年2月1日、東京都世田谷区、瀬戸口翼撮影

――英語入試の増加についてはどう見ていますか。

茨城県の江戸川学園取手が22年度入試から英語を必須にすることが注目されています。安心して受けられるように模擬問題をウェブで公開するなどしているため、保護者や受験生に動揺はないようです。問題を見ると、特別な対策は不要で、小学校で教わる英語をしっかりやっていればいい。一般の小学生に対する英語入試の、現時点での「型」が出てきたと受け止めています。筑波大付属などの国立や公立中高一貫校では調査書の提出が求められ、小学校の英語の成績も記されます。英語もしっかりやらないといけないというメッセージにはなると思います。

このような小学校の授業レベルの入試のほか、帰国生を対象とする入試や、英会話スクールなどで頑張ってきた子の学習歴を評価する形の入試など、違うスタイルが混在しているのが英語入試の難しさです。帰国生対象の入試は毎年レベルが上がっており、英検1級レベルが求められる学校もあります。

江戸川学園取手のような形の英語入試が増えるなら問題はないと思いますが、それ以上のレベルを全員に求められると、ただでさえ大変な勉強をしている小学生がつぶれてしまう恐れがあります。まじめに考える学校ほど英語入試を必須にすることには二の足を踏むのではないでしょうか。

――公立中高一貫校はどうでしょうか。

全体として横ばいです。都立立川国際は小学校ができて12年一貫となりました。公教育の中で英語を重視しており、広尾学園や三田国際と同じような形と見られます。私立小もこの方向に向かっている学校が多いですね。

神奈川県は22年度から県立の中高一貫2校で、これまで男女半々だった定員枠を外します。ただ、神奈川県にある横浜市立横浜サイエンスフロンティアは男子の方が圧倒的に多く、男女別定員をなくすと同じような状況になる可能性もあり、悩ましいところですね。

良質な教育が近所で受けられるなら受検を考えるという保護者は多いでしょう。21年に埼玉県川口市が市立高校の付属中学校を作ったように、ある程度力のある自治体が公立中高一貫校を作る動きは今後も続くのではないでしょうか。

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