共通テスト 2年目の波紋

「問題文が長い!」数学に悲鳴 2回目の共通テストどうだった? 数学教育の専門家らに聞く

2022.01.21

author
山下 知子
author
上野 創
Main Image

「隣の人共通テスト数学ⅠAの問題破ってて草」「会場からすすり泣き」……。1月15、16日に行われた大学入学共通テスト。数学の試験があった2日目は、「数学Ⅰ・数学A」の難しさを嘆く、受験生らの悲痛な声がネット上にあふれました。大学入試センターが19日に発表した平均点(中間集計)や大手予備校などの全体分析とともに、数学教育研究所(東京)の清史弘さんによる数学の問題の講評をお伝えします。(写真は、今年の大学入学共通テストの数学ⅠAの問題の一部)

「土俵に上がる前に時間が…」と受験生

「数学は本当に難しかったようで、生徒たちも落ち込んでいた」。そう話すのは東京都立高校の教員だ。自己採点を集計すると、数学ⅠAも、数学ⅡBも平均点は昨年から約20点も下がり、教員も衝撃を受けたという。国語、日本史、生物、化学など、他教科も相当にダウンしており、「みんな本当にショックを受けていた」と話す。

そんな中、各教科の教員たちや生徒自身からは「あのような問題はどうなのか?」などと、作問者に対する疑問の声が上がっているという。例えば数学ⅡBは、長文を読ませる問題に対し、「文章を読み解く力を見ることで数学的な思考力を測るということなら分かるが、この長いだけの文章は、数学的な思考力があれば解けるということとは違うのでは」という意見が出た。また、生徒からは「数学の土俵に上がる前の、文章を読むところで時間を使わせられている。そういう力は国語の問題で見てほしい」という声があったという。

静岡県内の公立高校教員も「生徒の多くは『数学が難しかった』が第一声。17日の月曜は、高3の教室がどんよりしていた」と打ち明ける。「数学ⅠAの試験中は涙が出そうだった」「試験中に浪人確定だと思った」と話す生徒もいたという。数学が担当のこの教員は自分でも時間を計って解いてみた。「時間は本当にギリギリ。生徒たちは大手予備校の予想平均点が出て少しずつ落ち着いていったが、生徒の中には数学ⅠAで心が折れ、次の数学ⅡBまで引きずったケースもあったと思う。タフさを求められるテストだった」

【文中写真】数学ⅡBの問4、長い文章
大学共通テスト「数学ⅡB」の長い問題文の一例

6科目で過去最低 センター中間集計

大学入試センターは19日、大学入学共通テストの平均点(中間集計)を発表した(発表文はこちら)。中間集計は採点が済んだ受験者24万955人の平均点で、昨年の大学入学共通テストの確定結果と比べると、数学ⅠAが17.43点低い40.25点▽数学ⅡBが14.04点低い45.89点▽生物が22.56点低い50.08点▽化学が8.14点低い49.45点――となるなど、理系科目を中心に平均点が下がった。また、日本史Bが9.34点低い54.92点▽国語(200点満点)が8.72点低い108.79点だった。

1990年に始まった大学入試センター試験以降の確定結果と比べると、数学Ⅰ▽数学ⅠA▽生物基礎(50点満点)▽化学▽生物▽フランス語(200点満点)の6科目が現時点で過去最低となっている。最終集計は2月7日に発表される。

駿台予備学校とベネッセコーポレーションで組織する「データネット実行委員会」が40万9910人の受験生の自己採点結果を集計したところ、数学ⅠAは38点と昨年に比べ20点低くなった(集計結果はこちら)。昨年との得点差が大きかった科目は、生物が24点低い49点▽数学ⅡBが17点低い43点▽日本史Bが11点低い53点▽化学が10点低い48点――などだった。

国立大で合否判定に使われることが多い5教科7科目(900点満点)の予想平均点は、文系が昨年より44点低い計508点、理系は59点低い計513点。多くの国立大がセンター試験で5教科7科目を課すようになった2004年以降、最低になる可能性が高いという。

最初の試験科目の問題冊子が配られた、大学入学共通テストの会場=2022年1月15日、東京都文京区、福留庸友撮影
最初の試験科目の問題冊子が配られた、大学入学共通テストの会場=2022年1月15日、東京都文京区、福留庸友撮影

新着記事