「STEAM」で未来をつかむ

アートフェスで探究力の土台固め ドルトン東京学園中・高等部 「STEAM校舎」建設進む

2022.01.31

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斉藤 純江
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学習指導要領の改訂で探究や総合学習を重視する傾向が強まり、STEAM教育に取り組む自治体や学校が増えています。STEAM教育とは、どのような学びなのでしょう。専門家のインタビューや、全国の先進的な取り組みを通して考えます。今回はドルトン東京学園中等部・高等部の取り組みを紹介します。(写真は生徒が使用済みのレジ袋や段ボールでつくった照明器具=ドルトン東京学園中等部・高等部)

SDGsをアートで伝える

11月下旬の日曜日。東京都調布市のドルトン東京学園中等部・高等部で、「ART×SDGs」をテーマにした「アートフェス」という催しが開かれた。会場のアリーナ(体育館)には、校内で伐採された木の枝を使った傘立てや、使用済みのレジ袋などで作った照明器具、菓子袋を加工したポーチなどを展示し、鑑賞者が価値を決めて購入するチャリティの形をとる18のブースが並んでいた。「ハウス」と呼ぶ異学年の生徒で構成される縦割り集団ごとに、生徒全員が企画や制作に取り組んだ。

担当した美術科主任の秋本瑠理子教諭によると、作品づくりの狙いは、SDGsをアートで人に伝えること。自分の興味に基づいた探究学習に取り組む授業「ラボラトリー」の時間を活用した。「制作の過程で、生徒たちは美術はもちろん、社会、理科、数学、英語、技術など、幅広い知識を駆使していました」と振り返る。

2019年4月に開校したドルトン東京学園は、生徒の興味や探究心を育むことを重視する「ドルトンプラン」に基づく教育を掲げる。ドルトンプランは「教科の枠組みにとらわれない学び」(安居長敏副校長)で、教科横断的な学びを特徴とするSTEAM教育とは相性がいいため、開校当初からSTEAM教育にも力を入れている。22年度には高等部の生徒が初めて入学する。同年9月の完成を目指し、実験や制作スペースと図書館機能を併せ持つ「STEAM校舎」の建設も進む。

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