「STEAM」で未来をつかむ
STEAM教育、「A」の実践例を見る 東京大、熊本県立宇土中学・宇土高校、武蔵野美術大
2022.02.04

STEAM 教育の頭文字のうち、「A」とはどんな学びなのでしょう。「Arts」や「Art」を通した学びを実践する現場を訪ねました。(写真は紙の橋に重りを載せ、耐荷力を確認する生徒たち=熊本県立宇土中学)
「A」に正解はない
「『A』は大きく二つのとらえ方があります」。東京大大学院情報学環の山内祐平教授はこう話す。「一つは人文社会の幅広い知識・教養を身につけるリベラルアーツの『Arts』で、学校現場の多くはこちらのとらえ方をしています。もう一つは美術やデザインを通して思考力や創造性を鍛える『Art』です。それぞれに定義し、実践しているのが実情で、正解はありません」
東京大生産技術研究所の次世代育成オフィスが中心となって運営する「東京大学グローバルサイエンスキャンパス(UTokyoGSC)」は、リベラルアーツの側面を重視し、高校生に最先端の研究に触れてもらう取り組みだ。
参加者は最先端の研究の内容や、その研究が求められる社会的な背景について研究者から話を聞いたり、関心を持った分野を自ら研究したりする。次世代育成オフィス室長の大島まり教授は「ある課題を解決するには、どの教科の知識が必要かを認識し、深く理解し、統合するという作業が欠かせません。私たちのプログラムでは、大学の学際的な研究につながる教科横断的な学びを体験することができます」と話す。