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全国200カ所に広がるプログラミングの「道場」 石垣島では小学生が立ち上げ

2022.02.14

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片岡 由衣
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2011年にアイルランドで設立され、子どもたちにプログラミングを学ぶ場を提供する「CoderDojo(コーダードウジョウ)」。“Dojo=道場”とのコンセプト通り、門を叩く人は誰でも参加できる。非営利で自主性を重んじている点が大きな特徴で、世界で112カ国2200か所以上、日本国内でも200カ所以上に広がっている。学校でもプログラミング教育が必修となるなか、子どもが気軽に挑戦できる場として注目を集めている。(写真は、"本州西北端"のまち山口県長門市で開催しているCoderDojo Nagatoの様子=NPO法人つなぐ提供)

日本最南端は沖縄・石垣島の道場

日本最南端の道場、「CoderDojo Ishigaki」は、沖縄県の石垣島にある。2021年12月の活動では、プログラミングソフトの「スクラッチ」や、仮想空間の中でものづくりができるゲーム「マインクラフト」など、13人の子どもたちがパソコンの前で思い思いに過ごしていた。

参加者のひとり、小3の古波蔵唯丸(こはぐら・ゆいまる)さんは、マインクラフトでプログラミングのコードを入力し、球体や円柱を作ることに挑戦していた。「うまくできない」と悪戦苦闘しながらも課題をクリアすると、「もっと難しいのをやってみる?」と中学生から声をかけられ、「やる!」と意欲を見せた。「難しかったけど、できたときにうれしかった」と話す。

CoderDojoは、それぞれの地域で「立ち上げたい」と思った人が、CoderDojoのホームページ から申請をすれば始められる。

「CoderDojo Ishigaki」は19年、小学6年生だった浦添一(うらそえ・はじめ)さんと、お父さんの尚文(ひさふみ)さんが立ち上げた。一さんは幼いころから、レゴをはじめとするものづくりが大好きだったという。小学校低学年になると、小中高生を対象としたロボットコンテスト「WRO Japan」への挑戦をきっかけにプログラミングを始め、沖縄県大会を制覇し、全国大会へ進むなどどんどん夢中になった。

石垣島でもプログラミングを学ぶ環境や友達がほしいと考えていたところ、見つけたのがCoderDojoだった。一さんが「やりたい!」と意欲を示したことから、親子で石垣島での道場立ち上げを決めたという。

現在中学3年生になった一さんは「プログラミングの楽しさを分かち合い、ロボコンなど、ものづくりを継続できる場になったらいいなあと思い、CoderDojoを続けています。僕自身、難しい課題を乗り越えたときの楽しさを知っているので、参加者が『できた!』と喜んでいる姿を見るのが好きです」と話す。

「CoderDojo Ishigaki」で、小学生にヒントを伝えている一さん
「CoderDojo Ishigaki」で、小学生にヒントを伝えている一さん

「CoderDojo Ishigaki」は、地域でも存在感を示している。「マインクラフト」を使ったコンテスト「Minecraftカップ」で、CoderDojo Ishigakiチームが19年に審査員賞を受賞。20年には一さんの弟、昴さんが小学5年生ながら大賞、21年にはCoderDojo Ishigakiチームが優秀賞を受賞し、ますます活動が注目されるようになった。21年11月に石垣島で開催された「やいまSDGsシンポジウム」では「CoderDojo Ishigaki」の子どもたちが舞台に登壇し、マインクラフトの作品を市長や多くの市民の前で発表した。

また、年に1回、全国の道場関係者が集まる交流会「DojoCon Japan」があり、一さんはここでもプレゼンをするなど積極的に参加しているという。「DojoCon Japanでは、他道場の主宰者や、同年代で活躍する仲間と知り合え刺激をもらいました。教育版マインクラフトの開発チームで、当時プログラムマネージャーをつとめていた鵜飼佑(うかい・ゆう)さんに声をかけてもらったのも、とってもうれしかったです」と一さん。その後、鵜飼さんにCoderDojo Ishigakiへ指導しに来てもらうなど、道場での出会いがつながりを生んでいる。

「Minecraftカップ2021」でもチーム部門の優秀賞を受賞したCoderDojo Ishigakiの子どもたち。写真撮影やIllustratorを使った加工も一さんが手がけた
「Minecraftカップ2021」でもチーム部門の優秀賞を受賞したCoderDojo Ishigakiの子どもたち。写真撮影やIllustratorを使った加工も一さんが手がけた

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