新しい教育のカタチを考える

インターナショナルスクール、日本で開校ラッシュのなぜ アジアからの留学先としても注目

2022.02.17

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山下 知子
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近年、インターナショナルスクールの開校が相次いでいます。東京だけではなく、長野や岩手、広島などでも誕生し、「開校ラッシュ」の様相です。高い英語力とともに国際的な視野を身につけさせたい――。そんな親の子どもへの思いが背景にはあるようです。現状について、インターナショナルスクールタイムズ編集長で国際教育評論家の村田学さんに話を聞きました。

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話を聞いた人

村田学さん

インターナショナルスクールタイムズ編集長

(むらた・まなぶ) 国際教育評論家。米国生まれ、日本育ち。プリスクールの元経営者で、東京都内のインターナショナルスクールの共同オーナーでもある。各種メディアにインターナショナルスクール関連の記事を多数執筆。3歳の時、米国の幼稚園を2日半で「爆速退学」になった経験も。1児の父。

祖父母の援助で会社員家庭も

――なぜいま、「開校ラッシュ」なのでしょうか。

日本国内だけでみると、まず、2~6歳くらいが通う「プリスクール」と呼ばれる、英語で過ごす幼稚園・保育園が増えています。2000年代に都市部で広がり、今は人口10万の都市に一つはある感覚ですね。国内に800校前後あるのではないのでしょうか。

こうしたプリスクールで学び、育ってきた子どもの増加に伴い、日本の小学1年~高校3年に該当する年齢の子どもが通うインターナショナルスクール(インター)も増えてきました。英語力はもちろん、インターでのいわゆる「探究的な学び」に魅力を感じ、この学びを継続させたいと考える親が増えているのでしょう。現在、初等部と中等部、高等部を持つインターは国内に60校以上あります。毎年1~2校が新設されており、今後も増えていくと予想されます。

学費は年250万円程度と高額ですが、年150万円程度のところもあります。もちろん、もっと高いインターもあります。少子化が進み、教育費を祖父母が援助して通わせる形も増えていますね。祖父母の援助があって、子どもが1人であれば、会社員家庭でも通わせられるようです。祖父母世代は、留学をしたり、海外旅行をしたりし始めた世代。孫がインターに通うことに、そこまで「壁」を感じていないと感じます。

また、親世代はインター出身の歌手宇多田ヒカルさんや、2人の子どもをインターに通わせた木村拓哉さんと工藤静香さん夫妻の存在から、「インターという選択」に気付いた世代とも言えます。芸能ニュースが引っ張ってきた面も大きいと感じています。

後述しますが、こうした事情に加え、アジアから子どもたちを集める上で日本が注目されており、国内の開校を促している面もあります。

――東京都内だけではなく、各地に誕生していますね。

都内では、都心部で開校が相次いでいますね。虎ノ門や麻布などで規模の大きいインターの開校が控えています。

地方に目を向けると、14年に長野県軽井沢町にユナイテッド・ワールド・カレッジISAKジャパンができ、20年4月には広島県に全寮制小学校の神石(じんせき)インターナショナルスクールも開校しました。中等教育分野では今年9月、愛知県日進市に学校教育法上の「一条校」として、また全寮制の国際バカロレア候補校として、国際高等学校が開校予定です。今夏に岩手県八幡平市に開校する英国系のハロウ安比(あっぴ)校、長野県白馬村に開校予定の白馬インターナショナルスクールなど、自然環境を魅力の一つに据えたスクールも各地にできます。国際高、ハロウ安比校、白馬インターの3校とも英語で学び、寮を備えている「ボーディングスクール」であるのも特徴です。

長野県のインターナショナルスクールオブ長野は、「一条校」として小学校をつくり、この春、松本市に開校します。これまで長野市、松本市、上田市でプリスクールなどを運営してきて、今後は中学校段階の子どもの受け入れも予定しているそうです。松本市とその周辺の人口約55万人の地に幼小中一貫のインターができる点に、日本社会の変化を感じます。

文中写真① 白馬DSC02792
東京都内で開かれたインターナショナルスクールフェアの様子=2022年1月、村田学さん提供
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