学習と健康・成長

VR学習に高い満足度 N高・S高に聞く「メタバース」の効果 課題は「酔い」とポリシーの理解

2022.03.03

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小林 香織
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今後の課題は、導入ハードルを下げること

VR学習の生徒の満足度は高く、特に交流会においては、約93%が「満足」と回答しているそうです。徐々に導入の効果を実感できているものの、次の課題は「普及のハードルを下げること」だといいます。

VR学習を受講する生徒へのアンケートでは、約5%が機材のセットアップを完了させていないと回答しました。また、設定を完了させた人のうち、約6%は学習や交流に活用していませんでした。

「設定の完了、及びデバイスの操作方法を習得するまでに一定の時間がかかります。さらに、VR独特の『酔い』の課題も。特に初期は酔っているような感覚に陥ることがあり、これは個人差があります。酔いがある場合、体を動かさずに参加できる学習や交流で徐々に慣れることを推奨しています」(吉村さん)

「VR酔い」については横見さんも経験しましたが、「1〜2ヵ月間の継続により克服できた」とのこと。これらの課題の対策として、N/S高では、オフラインでのセットアップサポートやワークショップ等の実施、利用に関する情報発信などを実施しているそうです。

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横見さんは、学習では約1時間、交流では休憩を挟みつつ2〜3時間、連続で使用することが多いそう(写真はイメージです)

多くの生徒はメタバースでのコミュニケーション経験がなく、ポリシーの理解向上も重要だと吉村さんは話します。

「メタバースのコミュニケーションでも、リアルでのコミュニケーションと同じ心がけが必要です。例えば、相手を尊重し嫌がることはしない、性差別や人種差別など差別的な言動をしないなど。特に中高生の場合、大人と比較して気持ちのコントロールが効きづらいこともあるため、暴言や失礼な行動が問題になるケースがあります」(吉村さん)

この課題に対しては、メタバースでのコミュニケーションをリードする「リーダー」の育成に注力しています。

「生徒主体のイベント実行委員会を設けて、彼らによるリーダーの育成と支援を実施しています。リーダーが成長することで、全体のコミュニケーションの向上につながると考えています。また、先端的にVR学習や交流に取り組む生徒と一般生徒の習熟度に大きな乖離が見られ、出遅れている教職員もいることから、そういった人たちも巻き込んで、VRコミュニティを広げていきたいですね」(吉村さん)

(編集:野阪拓海/ノオト)

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