〈PR〉臨海セミナー
なぜ中学を受験するのか いまの入試で求められる力とは 臨海セミナーのプロに聞いた
2022.02.24

首都圏で中学の受験者数が増え続けています。コロナ禍で迎えた今年も、多くの小学6年生が入学試験に挑みました。なぜ今、中学受験熱が高まっているのでしょうか。最近の入試で受験生に求められる力はどのようなものなのでしょうか。「臨海セミナー」を運営する株式会社臨海の中学受験科・岡田良明事業部長に、朝日新聞社教育コーディネーターで「EduA」アドバイザーの中村正史が、臨海セミナー横浜本校で取材しました。
塾講師歴は20年以上。小学生・中学生・高校生の教育に精通する。高校受験部門の教室長を経て、2010年より中学受験部門へ。2016年より中学受験科事業部長に就任。2021年からは大学受験科事業部長を兼任。1男1女の父親。生徒が自身の力で人生を切り開くために、一つひとつの発問にこだわることが塾講師の使命と考えている。
コロナ禍でも中学受験者が増えるわけ 学習塾は日本の学力を支える「社会インフラ」
――今年もコロナ禍での中学入試でした。
学校の休校や学級閉鎖などが相次ぎ、対応に苦慮される保護者も多くいらっしゃいました。オミクロンの拡大という去年とは違う状況でもありました。人生に1回しかない中学受験ですから、子どもたちがしっかりと入試を受けられるように、我々としてもできる限りのサポートをしてまいりました。
――コロナ禍でも首都圏の中学受験者数は増えています。なぜでしょうか。
新型コロナウイルスが猛威をふるい始めた2020年の春、臨海セミナーも新規の入塾者数が一気に減りました。一方で、コロナを理由に塾をやめる離塾者は少なかったんです。そして、夏からは新規入塾者数が再び増加し、離塾者はやはり少なかった。アベノミクスや東京オリンピック・パラリンピック、大学入試改革などが機運になり、中学受験に対する注目は高まっていくだろうという予想はしていました。また、コロナ禍によるオンライン授業への切り替えなど、設備が整っている私立校への期待も受験者数増加の背景にあると思います。実際、新たに臨海セミナーに入塾される生徒の保護者の皆様からも、そういった声は聞こえてきます。公立校でも設備の充実は順次進めていますが、私立は小回りが利きますからね。
――これまで中学の受験者数は、景気の動向と相関関係にあるとよく言われてきました。景気がいいと受験者数が増え、景気が悪いと受験者数が減る。けれども、コロナ禍の経済的には下落の状況でも入塾者が増え、受験熱は高いままということですね。
そうですね。私が感じているのは、このコロナ禍で、メディアで頻繁に学習塾が取り上げられ、報道されたことも影響があるのではないかと思っています。学習塾における感染対策やオンライン授業が報道で取り上げられました。入試シーズン以外でこれだけ学習塾が報道されるというのは珍しいのではないかと思います。これらの報道を通して、改めて、日本の学力を支える学習塾の存在、社会インフラとしての学習塾を再認識してもらえたのではないかと感じています。
麻布中学の難民問題が話題に 「答えがない」ような問題で問われる思考力
――今年の中学入試において、新しい傾向や特徴はありましたか。
男子の「御三家」である麻布中の社会の問題で、難民問題が取り上げられたことが報道でも話題になりました。今回の麻布中のような大人でも悩む、答えがないような問題は、難関校の入試では当たり前に出題されています。この「答えがない」とか「正しさとは何なのか」という点は、中学入試において非常に大きなテーマです。AIを中心とした科学技術が発展し、この先の世界がどうなるのか誰も分からない。さらにコロナ禍が来て、時計が早回しになり、そういったテーマが一気に人類に突きつけられているわけですから。
麻布の難民の問題は「こういう“正解”もあれば、こういう“正解”がある」し、「国によってはAという結論だけど、そうではないBという場合もある」と、いくらでも答えが導き出せる。今までは「正解は何か」ということを議論し、子どもたちも一つの“正解”を探してきたわけですが、今は、全てが“正しい”し、全てがあり得るという前提で、“どの選択肢を選ぶか”ということが問われている時代です。中学受験では、それらを思考する力が問われています。

――教科の知識だけでなく、社会とリンクした問題意識が必要だということですか。
はい。ただ、小学校の低学年と高学年では、やるべきことが変わると思っています。高学年になると受験に向けて、ある程度、知識の詰め込みが必要になってきます。知識は入試を勝ち抜く基本になるものです。その詰め込んだ知識をどうやって現実社会とリンクさせられるかが問われるわけですけど、高学年になって急にそれができるようになるかと言えば、やはり太刀打ちできない。臨海セミナーでは小学1年生から3年生の低学年の時期が大きなポイントだと考えています。低学年のうちに教育環境を整え、やるべきことをやっていけば、高学年では子どもたちが自立し、我々はある意味で見守りながらサポートするという、中学受験を勝ち抜いていくための理想的なパターンが作れると思っています。低学年の教育環境が重要です。
――低学年でやるべきこととは。
「勉強が楽しくない」「勉強がつまらない」という意識が身についてしまうと困ります。前向きに勉強を頑張ろう、という学習環境があれば、子どもたちは自ら勉強を楽しんで取り組みます。その上で最も大切なことは、子どもたちにどういう問いを与えるか、です。知的好奇心が全く湧き出てこない、暗記すれば解けるような問題ばかり与えていると、子どもたちもつまらない。試行錯誤しないと答えが出せない問題、深く思考する必要がある問題に取り組ませて、子どもに考えさせるんです。もちろん、クリアできたらほめますし、できなくても考え続けられたらほめます。そうした地盤ができてこそ、高学年のステップアップにつながるのだと考えています。
――だから臨海セミナーは低学年教育に特に力を入れているんですね。
そうです。月5500円(税込み)で最大週3回、「算数」「国語」「御三家算数」という科目を受講できる「中学受験応援キャンペーン」を実施しています。もちろん中学受験を目指す子どもがメインではありますが、実際に勉強しながら高校受験に切り替えたり、公立の中高一貫校を選択したりする子どもたちもいます。特に神奈川の場合、私立を全く受けず、「公立中高一貫校のみ」という受験パターンも一定数います。

中学受験は世の中を本気で知る機会 親も子も成長するために大事なこと
――色々な選択肢がある中で、改めて中学受験をする意義はなんだと思われますか。
やはり小学6年生までに、「世の中のことを本気で知る」ことができるということだと思います。中学受験がなければ、そこまで本気で世の中に向き合わないでしょう。合否という非常に残酷なものを前にして、子どもたちはある程度追い込まれ、しっかりと世の中にも、自分にも向き合うと思うんです。世界を知るためには、自分を知り、他人を知り、世界を知るという流れがあります。
小学校の低学年では自分のことしか考えられない子が、中学年になると他人や仲間のことを意識し、いよいよ高学年の受験期になって、世の中のことまで視野を広げて学ぶ。まさに小学生が大人になっていく過程に、中学受験がぴったりと重なっていくのだと思います。受験を通じて子どもたちは合格・不合格を含めて、さまざまな経験をするわけですが、とことん頭を使って考え抜いたという経験は、本人にとって必ず自信になります。また、世界を知ることや、頭を使って考え抜くことは、大人にだって求められることですよね。それを12歳で学ぶのですから、とても意義深いことだと考えます。
――中学受験を通じて、親子とも成長するとよく言いますよね。
そうですね。子育てというものは理想ばかりではうまくいきません。「朝は計算や漢字を学習しましょう」とか、「宿題を終わらせてから遊びましょう」とか、それぞれの家庭で理想は語られていると思います。しかし、現実はうまくいかないことも多いじゃないですか。私見ですが、親というのは自分の過去を美化する傾向があるので、「自分の小学3年生の時はこれぐらいできた」って絵を当てはめてしまうことも多いのかなと思います。そうなると「うちの子はぜんぜんできないじゃない」と不安になる。でも実は、その絵は3年ぐらいずれているのではないでしょうか。
当然ですが学習塾も理想を掲げ、パンフレットには理想が書かれています。理想を掲げながら、同時に実際に起きていることを理解することも非常に重要です。臨海セミナーは、それぞれの家庭の事情や子どもたちの特徴を理解して、寄り添うという姿勢を強く意識しています。面談を通じて状況を把握しながら、しっかりと面倒をみていく。そういった面でも信頼していただけていると思っています。
語弊がある表現かもしれませんが、中学受験は進学した学校が最高の選択になる場合が多いです。あまりにも理想を求めすぎると、親も、子も、苦しくなる。もちろん学習塾として合否には徹底的にこだわりますが、最初から最後まで順調な受験なんてほぼないわけです。壁にぶつかったり、成績が下がったり。それでも、学習に対して前向きで、楽しくやれて、この中学受験自体にワクワクする、という状態を作れていれば、結果に関わらず中学、高校、大学でさらに伸びていくと思っています。我々は、これからもご家庭と連携しながら進めていきたいと考えています。

臨海セミナーについての詳しい内容は、こちらのホームページでもご覧いただけます
(記事:五月女菜穂 写真:松嶋愛)