ゲーム×教育

小学校にプロeスポーツ選手がやってきた! 「ぷよぷよバトル」は大盛況

2022.03.30

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金子元希
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もし学校の中でゲームが思いっきりできたら――。子どもたちにとっては夢のような話ですが、実際に行事や授業で活用する試みが広がっています。プロのeスポーツ選手を招いて、「大会」を開いた小学校を取材しました(写真は、プロのlive選手(左奥)が見守る中、対戦する児童たち=2022年3月、相模原市立谷口台小学校、山内康平氏撮影)

3月8日、相模原市の谷口台小学校の体育館。「ぷよぷよバトル、スタート!」のかけ声とともに、スティックバルーンが左右に揺れました。「チャレンジカップ」と題して開かれたeスポーツ大会には、5年生と6年生の計約300人が参加しました。

大手ゲーム企業セガが手がける人気パズルゲーム「ぷよぷよ」を使ったeスポーツ大会です。eスポーツとは「エレクトリック・スポーツ」の略で、コンピューターゲームやビデオゲームの対戦で競います。日本eスポーツ連合公認のプロライセンスを持った選手による公式大会も行われています。

「ぷよぷよ」は落ちてくる「ぷよ」を左右に動かしながら積み上げ、同じ色が四つ並ぶと消えるシンプルなパズルゲームです。2人で対戦している場合、連続して消す「連鎖」に成功すると、相手の画面上に「おじゃまぷよ」を降らせることができます。画面いっぱいに「ぷよ」が積まれてしまうと「負け」です。セガが主催する公式戦が2018年から実施され、30人以上がプロ選手として活動しています。

大会を応援する児童たち。白熱した展開に、スティックバルーンを持つ手にも力が入る=2022年3月、相模原市立谷口台小学校、山内康平氏撮影
大会を応援する児童たち。白熱した展開に、スティックバルーンを持つ手にも力が入る=2022年3月、相模原市立谷口台小学校、山内康平氏撮影

きっかけは、運動会の代替案

谷口台小でeスポーツ大会が開かれたきっかけは、コロナ禍で運動会の実施が危ぶまれたことです。昨年、教職員の間で代替案としてeスポーツ大会が浮上しました。結果的に運動会は開かれたものの、「子どもたちにとって意義のある企画になる」と考え、行事の一つとして活用することになりました。

事前学習として、飛車ちゅう選手が同小を訪れ、eスポーツやプロ選手について講話をしました。さらに、セガがPlayStation4を20台貸し出し、「ぷよぷよ」の予選を実施しました。

谷口台小では、日頃から「カラフル」と称し、1~6年生が赤・青・黄・緑の4チームに分かれて、異なる学年の交流を促す取り組みをしています。この取り組みを生かし、5、6年生の中から、4色別に8人ずつ計32人の代表選手を事前に選びました。

ぴぽにあ選手(右)からアドバイスを受ける児童たち=2022年3月、相模原市立谷口台小学校、山内康平氏撮影
ぴぽにあ選手(右)からアドバイスを受ける児童たち=2022年3月、相模原市立谷口台小学校、山内康平氏撮影

トッププロ5人が集結

迎えた3月8日当日。選ばれた32人がまずは色ごとにトーナメントで競って、2、3人ずつの代表を決めます。そして、最後はその代表たちによる団体戦として優勝を争いました。

コロナ禍とあって、体育館に全児童を集めることは避けました。YouTubeの配信機能を使い、教室で観戦する児童と、体育館で応援をする児童を入れ替えながら、大会を実施しました。YouTube用の撮影も児童が担いました。

この日は飛車ちゅう選手のほか、「ぷよぷよeスポーツ」公式プロ大会の昨シーズンの年間チャンピオンぴぽにあ選手、2月に開かれた今シーズン公式大会で初優勝したばかりのSAKI選手、今シーズンの優勝経験のあるlive選手、19歳という最年少プロで現役大学生のともくん選手という豪華な顔ぶれの計5人が集結。児童を応援するとともに、進行や解説などで大会を盛り上げました。

色別の代表に選ばれ、対戦に向けた意気込みを語る児童=2022年3月、相模原市立谷口台小学校、山内康平氏撮影
色別の代表に選ばれ、対戦に向けた意気込みを語る児童=2022年3月、相模原市立谷口台小学校、山内康平氏撮影

優勝したのは赤色チーム。その一人、5年生の石塚陸人さんはプロ選手の技を見て、「早さや正確さが数倍上で、たくさん練習をしているんだなと思いました」。学校でeスポーツ大会が開かれたことには「たくさんの人が支えてくれて準備してくれたからこそ、自分たちが優勝できたと思います」と感謝の気持ちを口にしました。

6年生の鈴木洸大さんはeスポーツ選手という職業を知り、「一日中ゲームができることはうらやましいな、と思いました」と話しました。「これからも学校でゲームができる環境がほしい。今日はよい思い出になりました」

大会の実施にあたっては、選手として出場するだけではなく、子どもたちも「裏方」として様々な役割を担いました。閉会式で司会を務めた5年生の保坂陽菜さんは「一番最後を締める担当だったので、緊張しました。うまく締まったので良かったです」と話しました。

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