漢字学習 どこまで必要?

一人ひとりの特性に合わせた問題で漢字学習 「得意」と「苦手」をチェックできるアプリも

2022.04.07

author
葉山 梢
Main Image

見て覚えるのが得意な子と、聞くのが得意な子では効果的な漢字学習法が違います。それぞれの「得意」と「苦手」をチェックし、特性に合わせた方法で学べる教材の開発が進んでいます。
※写真はベネッセコーポレーションの学習アプリで、漢字の一部を隠すことで、部分への集中力を高めて記憶を定着させる問題(同社提供)

タイプに合ったプリントで学習

学習指導要領には「個に応じた指導」の充実が盛り込まれている。漢字学習も、それぞれの子どもに合わせた指導が求められているが、特別支援教育が専門の小池敏英・尚絅学院大特任教授は「通常学級ではなかなか対応できないのが現状だ」と指摘する。「学校で従来行われてきたような漢字の指導が合わない子が、できないのに何度も書かされ、テストで悪い点を付けられることが続くと、学習全般に影響が出たり不登校につながったりすることもあります」

小池教授によると、聞くのが得意な「聴覚優位」のタイプは漢字をパーツに分けてパーツごとに一画ずつ覚える方法、見るのが得意な「視覚優位」タイプはパーツの配置を選ぶ方法にすると少ない負荷で学べる。また、「読み」が苦手な子はワーキングメモリー(聴覚短期記憶)が弱いことが多く、「書き」ができない子はワーキングメモリーもしくは視覚認知が弱いケースが多いという。

こうした子どもの特性を踏まえ、NPO法人「スマイル・プラネット」は小池教授の監修で、子どものタイプに合わせて漢字を学べる小学生向けのプリントを作った。「ひらがな単語の読みが苦手」「漢字の入った単語の読みが苦手」「見て覚えるより、聞いて覚えるほうが得意」「くりかえし書いて練習するのが苦手」「聞いて覚えるより、見て覚えるほうが得意」「学習した漢字がなかなか定着しない」という6種類があり、それぞれのタイプに合った教材を同法人のホームページから無料でダウンロードできる。全国の通級指導教室や特別支援学級の先生に好評で、「プリントをまとめて使いたい」という要望が多く寄せられたので、学年ごとにプリントをまとめて使えるワークブック「プレ漢字ワーク(1~4年)」(光文書院)も出したという。

聞いて覚えるより見て覚える方が得意な児童向けのプリント。ランダムに配置した漢字の部品を選び、一つの漢字になるように線で結ぶ(スマイル・プラネット提供)
聞いて覚えるより見て覚える方が得意な児童向けのプリント。ランダムに配置した漢字の部品を選び、一つの漢字になるように線で結ぶ(スマイル・プラネット提供)

小池教授は「先生たちも『個別のアプローチが必要』と気づき始めている。子ども一人ひとりの学習記録をベースに学習支援ができる仕組みを学校や行政側が備えることが必要だ」と話す。

バックナンバー
新着記事
新着一覧
新着一覧

ページトップ