学習と健康・成長

伝統芸能は「想像力を働かせて楽しむ」 子どもと一緒にまずは体験から

2022.05.06

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長尾康子
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海外では「新たな表現形式」として取り入れられるケースも

能楽(能と狂言)や文楽(人形浄瑠璃)、歌舞伎、雅楽、義太夫節、日本舞踊、落語など日本にはさまざまな伝統芸能があります。これらの伝統芸能は、海外からどのように評価されているのでしょうか。

「私たち日本人からすると古いイメージがある伝統芸能ですが、海外の人たちからは新たな表現形式として映ります。狂言師・野村萬斎さんのニューヨーク公演もそのひとつ。現代美術作家で写真家の杉本博司さんが美術に携わった同公演は、現地のメディアから前衛的と評されました」(倉持さん)

伝統芸能の中でも、特に海外に向けた公演に力をいれるのは歌舞伎です。歌舞伎は戦前から海外公演を行っており、その歴史は100年近くにも及びます。近年ではラスベガスで新作歌舞伎を上演するなど、国外でも触れることができる日本の伝統芸能のひとつとなっています。また、バチカンのカンチェレリア宮殿でキリスト教を題材にした能「復活のキリスト」が上演されたこともあり、日本の伝統芸能はその舞台を世界に広げています。

「こうした背景もあり、伝統芸能の知識は海外の人とディスカッションする際に役立つことも。私自身、イギリスへ留学した時には、『日本にはこんな伝統芸能が、こういう背景をもとに発展してきた』と他国と比較して会話できました。自国の文化は伝統芸能以外にもたくさんありますが、自国や自分自身のことを知ってもらう際の話題として、深く知っておくことは大切です」(倉持さん)

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