算数・数学 学びのヒント

小学生から登場する「統計」 データを集め分析に挑戦しよう

2022.05.11

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芳沢 光雄
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算数や数学は、公式や解法を暗記し、数字を当てはめて正しく計算できれば、正解にたどり着ける――。短絡的な受験勉強の弊害か、そんな「暗記数学」の迷路に入り込み、分数やパーセント(%)の本質を理解しないまま大学生になる若者がいます。数学者で、小学生から大学生まで幅広く数学の魅力を教えてきた桜美林大学リベラルアーツ学群の芳沢光雄教授が、中学・高校受験期の子どもにこそ理解してほしい算数・数学のツボを解説します。

「源氏物語」の研究にも活用

世の中には、「じゃんけんではグーが多く、チョキが少ない」とか、「駅の階段を上るとき、最初に右足から上る人が多い」などのような、面白い調査結果がいろいろあります。

このように、いろいろなデータ(資料)を集めて分析する「統計」に関しては、小学生でも学ぶようになってきています。計算機の発達とともに、膨大なデータを記憶したり、計算したりすることができるようになってきたからです。

平安時代の文学作品である「源氏物語」には、「ほんとうに紫式部が一人で全部書いたのか」という謎があります。この研究にも、統計が活用されています。使われている品詞(名詞、形容詞、動詞、助詞など)の使用頻度(用いられている割合)について、統計の立場からも積極的に研究されているのです。

さて、今では、小学生の算数でも統計の用語である平均値と中央値を扱います。中央値は平均値とは少し違って、集めたデータを小さい順に並べたとき、ちょうど真ん中にある数のことです。たとえば、9人で受けた10点満点の試験結果を小さい順に並べたところ、

2、4、4、5、6、7、7、9、10

になったとすると、中央値は真ん中にある6点です。

ちなみに平均値(平均点)も、

(2+4+4+5+6+7+7+9+10)÷9=6(点)

となります。

普通は先の二つの例のように、平均値と中央値は近い値をとりますが、次の例はどうでしょうか。なお、データの数が偶数の場合は、真ん中の二つのデータの平均が中央値になります。次の場合、中央値は2と2の平均の2点です。

1、1、1、2、2、2、3、9、9、10

ちなみに平均値(平均点)は、

(1+1+1+2+2+2+3+9+9+10)÷10=4(点)

となります。

この例のように、中央値が平均点よりだいぶ小さい場合がたまにあります。これは、低い点数が多く、高い点数が少ない場合に起こります(もちろん反対に、中央値が平均点よりだいぶ大きい場合もあります)。

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