一色清の「このニュースって何?」

沖縄復帰50年 → 沖縄について知っておきたいこと

2022.05.13

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一色 清
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日々のニュースの中に「学び」のきっかけがあります。新聞を読みながら、テレビを見ながら、食卓やリビングでどう話しかけたら、わが子の知的好奇心にスイッチが入るでしょうか。ジャーナリストの一色清さんが毎週、保護者にヒントを教えます。(写真は、沖縄県国頭村の辺戸岬で、鹿児島県の与論島と同時にともされたかがり火。沖縄が米軍統治下に置かれていた1960年代、日本との境界だった北緯27度線付近の海上で沖縄の早期復帰を願って開かれた集会が、4月28日に再現された)

沖縄の歴史を知ろう

50年前の5月15日、太平洋戦争のあと長くアメリカに統治されていた沖縄が日本に復帰しました。今年が復帰50周年となり、沖縄では当日に復帰記念式典が行われます。そのほかにも今年は全国で沖縄をテーマにした行事がたくさん予定されています。沖縄の人は沖縄以外の日本のことを「本土」といいます。沖縄には、本土と違う歴史や課題があります。この機会に沖縄についての知識を深めるといいと思います。

「沖縄について知っておきたいこと」ですが、わたしが思いつくのは四つです。①昔は独立した王国であったこと②太平洋戦争で大きな被害を受けたこと③アメリカ軍基地が集中していること④観光以外の産業が大きく育っていないこと、です。

まず、沖縄の歴史です。北は奄美諸島から南は八重山列島まで、琉球諸島には古くから人が住んでいました。12世紀ごろには豪族があらわれはじめ、1429年に尚巴志(しょうはし)が豪族を統一して、尚家を頂点とする琉球王国ができました。琉球王国は中国、日本、朝鮮、東南アジアと貿易をし、独自の海洋王国を築きました。その中心が、沖縄本島の那覇市郊外に位置する壮麗な首里城でした。

その首里城が約3千人の薩摩藩の軍勢に占拠されたのが1609年です。薩摩藩は琉球の貿易の利権を奪おうとしたと考えられています。それからの琉球王国は中国との君臣関係を維持しながら、実際は薩摩藩と徳川幕府に従属しているという微妙な国際関係の中で存続しました。

しかし、明治維新により成立した日本政府が1879年に軍隊を派遣し、首里城から国王を追放して、沖縄県としました。軍事力を使って琉球の帰属をはっきりさせようとしたのです。これによって450年続いた琉球王国は滅んで、沖縄は日本の一部となりました。日本史ではこれを「琉球処分」といいます。

沖縄の歴史でもうひとつ覚えておかなければならないのは、太平洋戦争における沖縄戦です。1941年12月8日、日本軍がアメリカ・ハワイの真珠湾にある軍事基地を奇襲攻撃して太平洋戦争は始まりました。当初は日本軍が進撃し、東南アジアから南太平洋の島々まで支配下に置きましたが、そのうち物量に勝るアメリカ軍に押され始めます。

日本は「本土防衛」のために沖縄本島や離島に基地や陣地をつくっていました。日本の敗色が濃厚になっていた45年3月26日、アメリカ軍は沖縄本島の西にある慶良間諸島に上陸、4月1日にはついに沖縄本島に上陸しました。日本軍は本土決戦の準備時間を得るために戦闘を長引かせようと抵抗しましたが、アメリカ軍とは大きな力の差があり、6月23日に完全に制圧されました。

沖縄戦は、太平洋戦争で最大規模の地上戦でした。そのため、被害は大きく、20万人あまりの人が亡くなったとされています。そのうち沖縄県民は、一般住民が約9万4千人、沖縄出身の軍人軍属が約2万8千人で、あわせて約12万2千人とされています。当時の沖縄県の人口は約48万人ですので、県民の4人に1人が亡くなったことになります。6月23日は「沖縄慰霊の日」として、平和を考える日になっています。

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