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マントが世界救う?! 英国の環境キャンペーン ポイントは「表面積」、関連づけ学習で理科の記述問題対策

2022.05.13

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安原和貴
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「新型コロナ対策で、数十年ぶりにインド北部の町でヒマラヤ山脈が見えるようになった」。そんなニュースを覚えている人も多いはず。ただ、人の動きが止まることで大気汚染が和らぐとはいえ、「じゃあ、経済活動を止めて、大昔にもどろう……」というわけにもいきません。今回は、大気汚染に関する、イギリスの面白いキャンペーンをご紹介します。その名も「エア・ヒーローズ」。どんなキャンペーンなのでしょうか。理科でよく問われる「表面積」とどう関わってくるのでしょうか。

特別な物質、それは……

英国のキャンペーンは、ひと言で表せば、「車に乗らず、マントを羽織って歩いて登校しよう」というもの。

「マント?」と不思議に思う人もいることでしょう。

そうです、そのマントに秘密が隠れているのです。

マントにはある特別な物質が使われています。それは、活性炭というものです。

活性炭は普通の炭と比べて、小さな穴が大量に開いています。イメージはスポンジ。小さい穴が開いていることで水を大量に吸収しますよね。

このマントも同じです。大量に穴が開いている活性炭を使用することで、着た人が歩き回るたびに、空気中の汚染物質がその穴に入り込んでしまうのです。

つまり、今回のキャンペーン。活性炭を用いたマントを羽織って外を歩くだけで、大気汚染を解決するヒーローになれるというものだったのです。

活性炭=2019年11月、中野浩至撮影
活性炭=2019年11月、中野浩至撮影

活性炭は、小さい穴が大量に開いていることで、表面積が大きくなるという特徴があります。

実際、活性炭の表面積は、1グラムで1000平方メートル程度だともいわれています。これはなんと、テニスコート4面分の大きさです。たった1グラムで、です。

「表面積」という言葉は、小学校の算数で最初に習いますよね。直方体や円錐(えんすい)など立体図形の単元で出てきます。その後、中学校に入ると理科でも学ぶことになります。一番関わりがある単元は「人の体のつくりと働き」。特に、人体の小腸や肺の働きで表面積という言葉が出てきます。

例えば、小腸の壁に柔毛という突起物がある理由。それがまさに、「小腸内の表面積を大きくすることで、効率よく栄養分を吸収するため」でした。

マントが世界を救う?! 「表面積」で関連づけ 理科記述問題の得点アップは間違いなし!

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