学習と健康・成長

気になる子どもの猫背、第一印象にも悪影響 改善のために保護者ができること

2022.05.25

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佐々木 正孝
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携帯端末を通して、ゲームや動画視聴に熱中する子どもが増え、子どもの姿勢への影響が懸念されています。姿勢の悪さ(猫背)は心身にどのような影響を及ぼすのでしょうか。姿勢改善メソッドを啓発する虎ノ門カイロプラクティック院の碓田拓磨院長に、姿勢を改善するためのポイントを聞きました。

Takuma_Usuda

話を聞いた人

碓田 拓磨さん

虎ノ門カイロプラクティック院 院長

(うすだ・たくま)虎ノ門カイロプラクティック院院長。早稲田大学保健体育科目「姿勢と健康」講師。姿勢の力で明るい未来をつくる会代表。早稲田大学卒業後、株式会社リクルートへ就職したが、健康について深く考える出来事があり退職。米国パーマーカイロプラクティック大学へ入学し、ドクターオブカイロプラクティック(D.C.)の学位を取得する。2002年に虎ノ門カイロプラクティック院を開業。

猫背はメンタル、第一印象も左右する

――「子どものからだの調査 2015」によると、「子どもを見て背中がぐにゃっとしていると感じる」と回答した小学校教師教員は65.6%と過半数以上でした。こうした姿勢の悪さ、特に猫背は、子どもにどんな影響を与えるのでしょうか?

まず、肉体的な不調が挙げられますね。筋肉は力を入れると硬くなり、ゆるめると柔らかくなります。しかし、猫背によって姿勢が悪いと肩、首に長時間負担がかかり、縮まった状態が続いてしまいます。こうして血流が悪くなり、ゆるんだ状態に戻れなくなる。これがいわゆる「こり」なのです。

そもそも、人間の頭部の重さは体重の8~13%。体重が50kgだとしたら約5kgですから、ボウリングのボールのようなイメージです。頭を支える背骨を、腰から首まで24個の骨の上に頭を載せた「積み木」に例えてみましょう。猫背になると頭が積み木からずり落ちます。それを落ちないようにするために、私たちは筋肉を使って支えているのです。これは首や肩、背中の筋肉にずっと重いものを持たせているような状態です。各部の張り、こりにつながるだけでなく、エスカレートすると痛みにもなるでしょう。

――なるほど。猫背は、それ以外にも影響を及ぼすのでしょうか?

メンタルへの影響が挙げられますね。神経には交感神経と副交感神経があります。勉強や仕事など頭が働いている時には交感神経が、休んだり、リラックスしたりしている時には副交感神経が優位になります。

人が正しい姿勢で座っている時、つまり猫背になっていない時は、適度な緊張状態となり、交感神経が優位に働きます。一方、背中が丸まった猫背だと体は休みモードになり、副交感神経が優位に働くのです。つまり、勉強や仕事などで交感神経を働かせるべき時なのに、猫背だと副交感神経が優位になってしまうのです。

この感覚の違いはわずかなものですが、生活の中でも多くを占める「座っている時間」で影響を受けることは無視できません。前向きになりたいのに猫背でいるということは、車でたとえると、アクセルを踏んで前に進みたいのに、ブレーキを踏んだままの状態と言えるのです。

さらに、猫背は初対面の第一印象でも影響を与え、「消極的」「暗い」「声をかけにくい」といった印象を持たれることも。「たかが姿勢」と思われるかもしれませんが、本来の性格とは違う印象を与えてしまうのは避けたいですね。

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