新しい教育のカタチを考える
「まるで江戸時代!?」欠席や遅刻、連絡帳に書き手渡し 多忙な朝の小学校 識者「ICTうまく活用して」
2022.05.23

この春、SNSで小学校の「江戸時代」ぶりが話題になりました。欠席遅刻連絡について、「連絡帳に書いて、近所の子に託す」という方法が「江戸時代」だというのです。一方で、スマートフォンのアプリなどを導入する自治体や学校も増えています。識者は、積極的にICTの導入をはかり、保護者と学校双方の利便性を高めるべきだ、と言います。
「電話発明以前に戻った」
「え?」
東京都に住む女性(45)は、子どもが学校を欠席する時の連絡方法に驚いた。長男はこの春、区立小学校の1年生に。学校からのプリントに「欠席の連絡は電話ではなく、連絡帳で近所の児童に持たせるようお願いします」とあり、冒頭のひと言が飛び出した。
3月まで通っていた保育園は、スマホのアプリで欠席遅刻の連絡ができた。諸費用の請求書や、写真の申し込みもすべて一つのアプリで。保育園からのお知らせもアプリで来る。さかのぼって確認することができ、それが「当たり前」だと思っていた。
女性は苦笑する。「電話発明以前に戻った。想定外の『小1の壁』」
女性は、長男の入学に合わせて引っ越ししたばかり。周囲に知り合いはいない。しかも自宅は校区の境目で、子どもの習い事で親しくなった近所の家族は、隣の小学校の校区だった。女性は「インフルエンザの時期など、みんなが電話をかけたらパンクするというのは分かる。けれど、便利な機器がある世の中で、依然として対応策が近所の子に連絡帳というのは……。私が小学生だった40年近く前と変わっていなくて驚いた」と話す。

一般的に電話が発明されたとされるのは1876(明治9)年。SNSではこの春、「欠席連絡の方法が江戸時代のようだった」「そんな不確実な方法でええんか!? 江戸時代かよ」「あるあるですね。今令和ですがね」「ママ友いない」といった声が相次いだ。