令和の学校選び 10の視点

男女別学VS共学 どっちに進学する!?〈後編〉 共学校、「ふるまいに『節度』」

2022.05.25

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矢野 耕平
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「第3次中学受験ブーム」とも言われる令和の時代。我が子の学校はどのような視点で選べばいいのでしょうか。中学受験専門塾・スタジオキャンパス、国語専科・博耕房の矢野耕平代表が解説します。

人間関係のもつれは男女別学のほうが多い!?

4月25日に「男女別学VS共学 どっちに進学する!?〈前編〉」という記事を公開した。前編では昨今の男女別学校の共学化の流れが加速度的に進んでいることに言及しつつ、それでも、男女別学にはそれなりの存在意義があることを説いた。

わたしは〈前編〉の記事で次のようなことを申し上げた。

「男女別学出身者たちに話を聞くと、当時の学内の人間模様は互いに遠慮なく付き合う『濃さ』があるように感じている。だからこそ、大人になってもその関係性を継続できる友人が生まれやすいのではないか」

一見、これは良いことのように聞こえるだろうが、遠慮の要らない付き合いが求められているからこそ、人間関係の摩擦に悩むのもこれまた男女別学のほうが多いとわたしは感じている。書籍執筆のため過去にさまざまな学校の在校生や卒業生たちに取材を重ねたことがあるが、男女別学校のほうで「いじめ」ということばをよく耳にした。

ある女子進学校の卒業生は、不登校になり、そのまま退学してしまった子のことをいまでも覚えているという。

「彼女はひとりになるのが耐えられないタイプだったようです。距離感が他の人とちがうというか……。わたしたちの学校って距離が近すぎるのを嫌がる雰囲気があるんですよね。それで彼女がなれなれしくしちゃったときに、『あなた、しつこいよ』ってみんなズバッて言うんですよね。もちろん彼女に意地悪をしているつもりでは決してないのですが……」

男女別学VS共学 どっちに進学する!?〈後編〉

あるカトリックの女子校出身者は次のように振り返る。

「付属の小学校が存在すると、そこである程度の雰囲気ができ上がっていて、それに中学入学組が合わせなければならなかったんです。わたしはそれが気に入らなかったので、つんけんした態度を取っていたらすぐにいじめの標的になってしまいました」

なるほど、確かに付属の小学校を持つ伝統的な男女別学校はたくさんある。小学校からの「内部進学組」と中学校からの「入学組」で何らかの摩擦が起こりやすいというのは幾度も聞いた話だ。

もちろん、内部進学者たちとすぐに中学入学組が仲良くなれるケースもこれまた多く耳にするが、正直なところ「この学校だから摩擦が起きる、あの学校だから仲良くできる」とは断言できない。学校、というよりもその学年を構成する子どもたちの雰囲気によるところが大きいのだ。ある意味「賭け」である。

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