「大学付属校」の現在地

青学大の系属校化で人気に 浦和ルーテル学院校長に聞く、変わったもの変わらぬもの

2022.06.02

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葉山 梢
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大学付属校や系属校人気を、学校側はどう捉えているのでしょう。2019年度に青山学院大学の系属校になり、難易度が急上昇した浦和ルーテル学院中学・高校(さいたま市緑区)の福島宏政校長に聞きました。(写真は校内のチャペルでの礼拝の様子=同校提供)

福島宏政

話を聞いた人

福島宏政さん

浦和ルーテル学院小学校・中学・高校 校長

(ふくしま・ひろまさ)1955年、群馬県出身。郷里の公立小学校教師を経て、1981年から浦和ルーテル学院の美術教師に。中等部の部長を1年担当し、初等部の部長を5年、その後教頭を務め、2015年度から現職。

「キリスト教教育」が縁に

――中学入試は2021年度の第1回入試が4.4倍と大変な人気となりましたが、22年度は落ち着きました。

人気になったのはひとえに、青山学院大の系属校となり注目されたからでしょう。系属化がきっかけで、1クラス25人の丁寧な教育といった本校の魅力を知っていただけたのではないでしょうか。

小学校からの内部進学があるので、中学や高校の募集人数は毎年変わります。21年度の中学の募集人数は45人でしたが、22年度は25人に減り、その分応募も減りました。「難しくなった」と敬遠された部分もあったと思います。都内の人が他の付属校の併願で受けるケースが増えていますが、「押さえ」にはならなくなりました。

――どのような経緯で青学大の系属となったのでしょう。

青学はキリスト教主義の学校、いわゆるミッションスクールの中では中心的な存在です。同じキリスト教の学校として以前から交流があり、本校の教員の中にも青学の卒業生がいます。

本校で小・中・高と12年間過ごしても、多くの生徒は大学でキリスト教教育から離れてしまいます。大学でもキリスト教教育を受けて社会に出て行くのが理想なので、キリスト教の大学とのつながりを模索してきました。青学大の方でも、本校の小学校からの一貫教育を評価していただいたという経緯があります。「他の学生の見本になったり、リーダーシップを発揮できたりする学生を育ててほしい」という希望を聞いています。

――系属校になって変わったところはありますか。

小・中・高とも、最初から青学大を目標とする児童生徒が圧倒的に増えたことが一番大きな変化です。それまでは特に「この大学」というのはありませんでしたから。

今の小4が高校を卒業するときには希望者の多くが定められた枠内で青学に内部推薦で入れるようになる予定です。それまでは経過措置として、一定の推薦枠を与えられています。全員が行けるわけではないので、他の大学を目指す生徒もいます。内部推薦と外部大の受験という両方をにらんだ指導をしていますが、やることは同じで、目指す大学が求める学力をつけることだと考えています。

その他の連携としては、高校生を対象に年30回ほど「学問入門講座」を実施しています。専門分野の学びについて大学の講師陣から高校生向けにかみ砕いて語っていただいています。また年に1回、大学の教授が来校されて系属校向け特別講演会をしていただいています。昨年は総合文化政策学部の福岡伸一教授にご講演をいただきました。

同じ学校法人になったわけではなく、青学側から教育内容について何か言われたり、教員が入れ替わったりすることはありません。独自性を尊重してくれているので、カリキュラムをこれまでと大きく変えることはありません。

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