算数・数学 学びのヒント

算数・数学の「分かる」には二つの意味がある 計算や公式の仕組みも理解しよう

2022.06.10

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芳沢 光雄
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算数や数学は、公式や解法を暗記し、数字を当てはめて正しく計算できれば、正解にたどり着ける――。短絡的な受験勉強の弊害か、そんな「暗記数学」の迷路に入り込み、分数やパーセント(%)の本質を理解しないまま大学生になる若者がいます。数学者で、小学生から大学生まで幅広く数学の魅力を教えてきた桜美林大学リベラルアーツ学群の芳沢光雄教授が、中学・高校受験期の子どもにこそ理解してほしい算数・数学のツボを解説します。

理解して身につく応用力や発想力

最初に38×67を考えてみましょう。まず、筆算では下図のようになります。

算数・数学の「分かる」には二つの意味がある 計算や公式の仕組みも理解しよう

この計算を説明すると、
38×67=38×(7+60)
    =38×7+38×60
    =266+2280
    =2546

という意味があります。①で示した266は38×7のことです。②で示した228は、38×60の結果としての2280のことですが、2280の最後の0を省略しています。

2桁同士の掛け算の筆算が「分かった」という人には、単に図に示した「やり方」だけ覚えた人と、上に述べた計算の仕組みも理解した人の両方がいます。

図形に関しても、同じような例があります。下図は台形で、よく知られているように台形の面積公式は次の式で表せます。

(上底+下底)×高さ÷2

算数・数学の「分かる」には二つの意味がある 計算や公式の仕組みも理解しよう

台形の面積公式に関しても、公式だけを覚えている人もいれば、以下のように理解している人もいます。

三角形ABCの面積=上底×高さ÷2
三角形ACDの面積=下底×高さ÷2 なので、
台形ABCD の面積=三角形ABCの面積+三角形ACDの面積
        =上底×高さ÷2+下底×高さ÷2
        =(上底+下底)×高さ÷2

2桁同士の掛け算の計算方法だけを覚えた人も、台形の面積公式だけを覚えた人も、「分かった」と言います。しかし、計算の仕組みや面積の求め方の理由も理解して「分かった」と言うことが大切で、応用力や発想力が身に付くのです。

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