「夢中」を学びに

島出身者と離島留学生タッグ 遺跡から歴史を掘り起こす 長崎県立壱岐高校

2022.07.04

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岩波 精
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子どもたちの「好き」や「夢中」を学びにつなげられるのは、どんな場所なのでしょう。壱岐高校東アジア歴史・中国語コースの歴史学専攻の生徒たちは、自分たちで発掘から手がける本格的な研究に取り組んでいます。歴史豊かな壱岐ならではの学びは、「全国高校生歴史フォーラム」でも高く評価されています。(写真は、定光寺前遺跡での発掘作業の様子。このとき出土した「土師器」を研究対象にした=壱岐高校提供)

生まれ育った壱岐を論文に「評価うれしい」

玄界灘に浮かぶ人口約2万5千人の壱岐島(長崎県壱岐市)は、中国の歴史書「魏志倭人伝」にも一支国(いきこく)として登場する歴史豊かな土地だ。島内にある県立壱岐高校の東アジア歴史・中国語コースで歴史学を専攻する生徒たちは、奈良大と奈良県が主催する「全国高校生歴史フォーラム」で、表彰台の常連として知られている。

昨年のフォーラムに挑んだ歴史学専攻の3年生は4人。このうち2人は、歴史を学ぼうと県外から訪れた「離島留学生」だ。島出身で、研究チームの中心となった坂本蒼羽(あおば)さん(17)は「生まれ育った壱岐のことを論文にして、それが評価されたのがうれしかった」と話す。坂本さんは古墳や遺跡が点在し、畑で土器が見つかる環境で育つなかで、自然と歴史が好きになったという。

論文では、島内の定光寺前遺跡から出土した土器のうち、中世の人々が生活に使っていた土師器(はじき)を分析し、時間的な流れを明らかにする「編年案」を作成した。その結果、肥前の波多氏が壱岐に侵攻する前から、遺跡周辺の人口が減り始めていたという仮説を立てた。県埋蔵文化財センターの職員の指導を受けながら、論文が完成したのは昨年9月1日。応募締め切りの前日だった。

出土した土器の実測作業=壱岐高校提供
出土した土器の実測作業=壱岐高校提供
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