国語のチカラ ~「読み、書き、表現」アップの鉄則~

作文が苦手! まずは模倣から挑戦しよう

2022.07.13

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南雲 ゆりか
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作文が苦手です。書くことが思いつかずに最初からつまずきます。作文を楽しむ方法が知りたいです。

作文用紙を前に固まってしまう子どもたちは、次のような困難を抱えているように思われます。「書き方がわからない」という技術面の問題と「書く自信、度胸がない」という精神面での問題です。

特に高学年の子どもたちは書く技術以前の問題として、「こんなことを書いてもだめだろう」「何も感じなかったから何も書けない」などと自らを縛ってしまいがちです。脚色するのを悪いことだと思っている子も少なからずいます。

文の書き方を教えるのはもちろんのこと、そんな縛りや堅苦しさから解放してあげて気楽に書けるように背中を押したいものです。

今回は、「作文を楽しむ方法」ということで、「素材文」を活用した練習方法をご紹介したいと思います。

模倣から始める

大人でも、改まった書状を書くときなどは文例を調べて参考にします。同じように、作文にまだ慣れていない子には参考になるお手本が必要です。それをまねするところから始めましょう。

お手本は親が書いてもいいですし、教科書の文章、市販の教材の例文、お気に入りの本の一節など何でも構いません。子どもの視点で一人称で書かれた文なら、自分の経験を書くときのモデルになります。お手本の文章の長さは子どもに合わせて加減してください。1年生なら100字くらいからスタートしてもいいでしょう。

以下のように進めます。

作文が苦手です。書くことが思いつかずに最初からつまずきます。作文を楽しむ方法が知りたいです。

素材文を見ながら写す「視写」という方法もありますが、ここでのねらいは例文を自分の力でアウトプットすることにあります。原文と全く同じ言い回しでなくても意味が同じならかまいません。書く内容を口で唱えながら書いてもいいですね。

余力があれば、文章全体を自分なりに再現してみるのもいい練習になります。暗記が目的ではないので、似たようなことが書けていれば大丈夫です。

あるいは、似たような構成で別の内容の文章を書くという方法もあります。お手本のまねとはいえ、自分で文章を書いたのですから立派な作文です。「ちゃんとできているよ。よく書いたね」と評価してあげてください。

おおげさに、くわしく書きかえる練習をする

文章に肉付けをする練習をしましょう。冒頭でお話ししたように、おおげさに表現することに抵抗を覚える子どもが少なくありません。それほど感動してもいないのに「涙が出そうになった」などと書くのは不誠実だと思ってしまうのですね。思い切った表現ができるように、「素材文をおおげさにする」というミッションを与えてみましょう。

次のような簡単な例文を用意します。

作文が苦手です。書くことが思いつかずに最初からつまずきます。作文を楽しむ方法が知りたいです。

たとえば、①「わたしは昨日、一日中一輪車の練習をしました。」、②「まだうまく乗れないのでじれったくてくやしくてたまりません。」、④「~お母さんが補助してくれたのでなんとか少し進むことができるようになりました。」など、オーバーに表現します。「ちょっとやりすぎかな」と思えるくらいでちょうどいいんだよ、と教えてください。

具体的にくわしく書く練習も大切です。ただし、「もっとくわしく書いて」と言われても、何をどうすればいいのかよくわからずに戸惑う子もいるでしょう。そういう場合は、親がいろいろな問いかけをしてください

たとえば「一輪車は何色?」「場所は?」「天気は?」「汗はかいたかな?」「一輪車はこわいのかな?」「転んだと思う?」など。架空の作文ながら、自分なりにイメージをふくらませて細かい部分を書き足していきます。会話文を入れるのもいいですね。

自分のことを書こうとすると手が止まってしまう子でも、フィクションなら気楽に「話を盛る」ことができると思います。

4年前から「木のあるくらし 作文コンクール」の審査をさせていただいていますが、高評価を得る作文は、例外なく描写が具体的です。また、小さな心の動きやちょっとしたできごとを大きく、くっきりと表現しています。

くわしすぎてもおおげさすぎてもよいくらいなのです。子どもたちは素直で真面目ですから、実感した以上のことを書くことにためらいを覚えます。大胆に表現できるようにサポートしてください。

文章を書きかえて遊ぶ

先ほど「まねをしながら別の内容で書く」提案をしましたが、「パロディーを書く」のも、作文遊びとしておすすめです。子どもたちは替え歌を作るのが上手ですね。その要領で素材文を書きかえてしまうのです。

自分の考えや体験に置きかえるのはもちろん、おもしろおかしい文に仕立て直すのも楽しいと思います。先に挙げた例文の「一輪車」を「三輪車」にしてみるとどうでしょうか。「ペダルをふむときにハンドルにひざが当たるため、どうしてもガニ股になってしまい~」など、まじめに書けば書くほどおかしな文章になりそうです。「三輪車」で最後まで書けたらなかなかのものです。私はこのようなおふざけが大好きだったので、不謹慎ながら、教科書の物語を改造して友だちに見せては笑わせて遊んでいました。作文は人に読んでもらうことを前提に書きますから、「ウケねらい」は悪いことではありません。

親は、子どもの書いた文章を感心しながら楽しそうに読んでください。誤字脱字、助詞のまちがいなどは後でそっと直してあげることにしましょう。自分の書いた文章が喜んで読まれるとわかれば自信もわき、張り切って書く気持ちになると思います。

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