一色清の「このニュースって何?」

インドの人口、来年にも中国を抜く → 世界の人口の変化から読み取れるもの

2022.07.22

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一色 清
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日々のニュースの中に「学び」のきっかけがあります。新聞を読みながら、テレビを見ながら、食卓やリビングでどう話しかけたら、わが子の知的好奇心にスイッチが入るでしょうか。ジャーナリストの一色清さんが毎週、保護者にヒントを教えます。(写真:世界で人口が最も多い国、中国に2位のインドが迫る。北京では平日の昼間に公園内で子どもと一緒に過ごす高齢者の姿が多く見られる=2021年3月)

これまでの人口の推移

国際連合は7月11日の世界人口デーにあわせて「世界人口予測」を公表しました。それによると、世界の人口は2022年11月15日に80億人に到達する見込みで、国別では23年にもインドが中国を抜いて、世界でもっとも人口の多い国になると予測しています。

人口は社会の基盤です。その推移は、社会の変化や国の発展段階を示します。世界人口予測から読み取れるものは何でしょうか。考えてみましょう。

まず、これまでの世界の人口の推移をみます。人類が地球上にあらわれて数百万年とされていますが、人口は長い間、ゆっくりとしか増えませんでした。10億人に達したのは1800年ごろだと推計されています。しかし、その後の増え方はだんだん急になります。国連人口基金によると、25億人に達したのが1950年です。150年で15億人増えたのですから、1年に1千万人くらいずつ増えた計算になります。その後さらに急になります。50億人に達したのが87年、60億人に達したのが99年、70億人に達したのが2011年、そして22年に80億人になるわけです。50億人から60億人まで12年、60億人から70億人まで12年、70億人から80億人まで11年かかっていることになります。数百万年かかって10億人にまでなった世界人口ですが、最近は10年ちょっとで10億人ずつ増えていることになります。

地域別では、アジアが世界人口の約6割を占めています。ただ、最近の増え方は鈍くなっていて、年平均の人口増加率は1%を切っています。増え方が大きいのはアフリカで、最近の年平均人口増加率は2%を超え、世界に占める人口の割合は2割に近づいています。

国連は、世界人口の増加ペースは今後鈍ってくると見ています。世界人口予測によると、2058年には約100億人に増えた後、2080年代に約104億人でピークに達し、2100年までその水準が維持されるとしています。

国連によると、2022年段階でもっとも人口の多い国は中国で14.3億人です。中国は1949年の建国以来ずっと人口のもっとも多い国です。ただ、2位のインドが14.1億人と迫っています。中国は長く続いた一人っ子政策や経済成長に伴う少子化の影響で、早ければ22年から人口減少時代に入るとの見方が出ています。一方のインドは出生率がまだ高いうえ乳幼児の死亡率が低くなっているため、人口の増加傾向が続くとみられます。そのため、国連は早ければ23年に中国と逆転してインドが1位になる可能性があるとみています。

国別の3位以下は、アメリカ、インドネシア、パキスタン、ナイジェリア、ブラジル、バングラデシュ、ロシア、メキシコ、日本の順になります。日本は約1.25億人で11位です。ちなみに日本が世界第2位の経済大国になった直後の1970年の国別人口ランキングでは、中国、インド、ソ連、アメリカ、インドネシアに次いで日本は6位でした。日本は少子化により人口の伸びが小さくなり、人口の増え方が大きい国々に次々と抜かれていったのです。今の傾向が変わらなければ、今後もエチオピア、フィリピン、エジプトなどに抜かれる可能性があります。

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