学習と健康・成長

大阪の「ともに学ぶ教育」が変わる? 「特別支援学級で半分以上の授業を」文科省の通知が波紋 分断危ぶむ声も

2022.07.27

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葉山 梢
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大阪府内で長年続いてきた、障害のある子もない子も通常学級でともに学ぶ教育の形が変わろうとしています。きっかけは文部科学省が今年4月に出した通知。特別支援学級に在籍する児童生徒は授業時数の半分以上を支援学級で学ぶよう求める内容で、保護者や先生たちからは不安の声が上がっています。

障害のある子を隔離する制度に変わる?

大阪府枚方市の医療事務の女性(38)は6月、学校から配布されたプリントを見て驚いた。

「支援学級に在籍するという意味は、週の授業時数の半分以上を目安として、支援学級において授業を受けることであること」

小1と小2の息子が地元の市立小学校の特別支援学級に在籍している。小2の息子には発達障害があるが、1日1時間、支援学級で算数などの「取り出し」の授業を受けるほかは通常学級で過ごしている。

小1の息子は脳性まひで車いすを使用しており、国語と算数は支援学級だが、それ以外は通常学級。体育は、通常学級の授業に支援学級の担任が一緒に入る「入り込み」と呼ばれる形で受けている。「2人とも今は通常学級のクラスにいるのが当たり前で、自然に周りの子が助けてくれている。他県よりインクルーシブ教育が進んでいる状況だったのに、週の半分以上は支援学級で指導を受けるとなると、障害がある子を隔離するような制度に変わってしまうのではないか」と心配している。

枚方市教育委員会によると、同市の小中学校では長年、特別支援学級に在籍する児童生徒もできるだけ通常学級で学ぶ形を取ってきた。支援学級で指導を受ける授業時数は「週5時間以上」と規定し、それ以外は通常学級で、必要に応じて支援学級の担任が付き添って指導しているという。

ところが、文科省が4月に出した「特別支援学級及び通級による指導の適切な運用について」の通知では、支援学級の児童生徒は「授業時数の半分以上」を支援学級で学ぶこととされた。枚方市教委はこの通知を受け、来年度から、支援学級に在籍する児童生徒は週15時間以上、支援学級で指導することとした。一方、特別な指導に必要な時数が週1~8時間の場合は、通常学級に在籍し、全校に設置する予定の「通級指導教室」で「通級指導」を利用するとしている。通常学級在籍の児童生徒に付き添いが必要な場合は、退職教員や大学生などの「特別支援教育支援員」をつけるという。

枚方市教委作成の資料から
枚方市教委作成の資料から
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