学習と健康・成長

いじめ被害、弁護士への相談という選択肢 費用は? 何をしてくれる?

2022.08.22

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佐々木 正孝
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いじめの被害に悩んでいる家庭は、どのような解決策を考えていったらいいのでしょうか。さまざまなアプローチが模索される中、弁護士に相談し対応を依頼するケースもあります。埼玉県坂戸市ではいじめに関する相談を必要に応じて弁護士に委託するなど、スクールロイヤーに関する制度を整え始めています。坂戸市の取り組みと、いじめ問題について弁護士ができること、その費用とステップをレイ法律事務所の弁護士・高橋知典さんに伺いました。

Tomonori_Takahashi

話を聞いた人

髙橋 知典さん

弁護士/レイ法律事務所

(たかはし とものり)明治大学法学部法律学科卒業。中央大学法科大学院卒業。いじめをはじめ、退学、体罰、学校内での事故など学校関係の問題や子どもに関わる事件全般、離婚などの夫婦関係の問題まで幅広い事件に対応する。メディアでのコメント出演も多数。『小説8050』(林真理子著/新潮社)では法律監修も務める。

いじめ問題を弁護士に相談――行政も注目する解決策

埼玉県坂戸市は小中学校におけるいじめ、不登校について「委託料」を2022年度の予算案に盛り込みました。この委託料とは、小中学校でのいじめや不登校について、児童・生徒や保護者が弁護士に無償で相談するための費用です。いじめ問題について、弁護士にはどのような働きが期待されているのでしょうか。坂戸市学校教育課長の小峰大吾さんに聞きました。

「児童・生徒の家庭の状況が多様化し、いじめなどの問題も複雑化する中、学校や教育委員会に寄せられる意見や要望も広範囲に渡るようになりました。そこで、法的な立場で学校経営へのアドバイスや児童・生徒に向けたいじめ防止の講義、教職員向けの研修会などが行える体制が必要だと考えたのです。児童・生徒や保護者からの相談を学校や教育委員会が受け、その後、弁護士へ直接相談できる体制を作るため、今回の予算化に至りました。弁護士から第三者の立場で助言などを受けることにより、いじめ・不登校など、さまざまな問題の円滑な解決に結びつくことを期待しています」(小峰さん)

文部科学省では2020年度に「教育行政に係る法務相談体制構築に向けた手引き」という資料を発表。同年から、都道府県及び指定都市教育委員会における弁護士などへの法務相談経費について、普通交付税措置が講じられることとなりました。これを受けて、学校現場に弁護士を派遣して法務の相談ができるようにする「スクールロイヤー制度」を導入する自治体が増えています。

坂戸市長の石川清さんは、いじめ問題に対する取り組みについて次のように語ります。

「『子どもは市の宝』ですから、その未来を守ることは何よりも大切です。しかし、すべてを学校で解決できるものだとは考えていません。弁護士の力も借りて組織的に対応することで、いじめを未然に防ぐことができればと思います。よりよい教育環境が整えられるように、市としても学校現場の支援を惜しみません」(石川市長)

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