大学合格者ランキング2022 「現役進学率」編
難関10国立大現役進学率トップは北野の49.2%、2位灘を逆転、3位は開成
2022.08.30

大学合格者ランキングでは、1人の受験生が同じ大学の複数の学部に合格した場合、重複して数える「延べ合格者数」を採用することが多い。これに対し、同じ大学の複数学部に受かっても1人と数える「実合格者数」という指標を紹介してきた。さらに正確に進学実績を表すのが、実際にどの大学に進んだかを示す「進学者数」だ。現役の進学者数を卒業生数で割った「現役進学率」を見ると、その高校から何割ほどの卒業生が現役で進学したかがわかる。大学通信の井沢秀・情報調査・編集部部長が解説します。(延べ合格者数、実合格者数、進学者数などの違いはこちら)
複数の大学に合格しても、進学先は一つ。難関大の進学実績は、進学校の真の実力を知る最も有効な指標となる。そこで、全国の4386校に現役進学者数をアンケートし、2416校から得た回答をもとに、大学別の現役進学率をまとめた。今回は難関10国立大の現役進学率を見ていこう。難関10国立大は、東大、京大、北海道大、東北大、名古屋大、大阪大、九州大、東京工業大、一橋大、神戸大を指す。
難関10国立大にせっかく合格しても、入学しない受験生がいる。2022年度入試の一般選抜における10大学合計の「本命率」(現役進学者数÷現役合格者数×100)は97.3%。全合格者2万2036人中、587人が入学を辞退している。
大学別の本命率を見ると、最も低いのは北海道大で94.0%。難関大一般選抜の後期日程が廃止もしくは定員が縮小する中、北海道大は438人の募集枠がある。そのため、前期日程で東大や京大などの最難関大にチャレンジして、後期は北海道大を押さえるという受験生は少なくない。
こうした受験生の中には、前期不合格で北海道大の後期に合格しても、翌年の再チャレンジや、早慶などの難関私立大に受かっていればそちらに進学するケースもある。そのため、北海道大の本命率は、前期の97.2%に対し後期は83.1%と大きな差がある。
神戸大(95.3%)や九州大(95.5%)も、北海道大と同じ理由から本命率が低い。他大学の本命率は、東大(99.6%)、京大(99.6%)、一橋大(98.9%)、大阪大(98.5%)、東京工業大(98.4%)、名古屋大(98.1%)、東北大(96.3%)となっている。
難関10国立大現役進学率ランキングのトップは北野(大阪)。ランキング上位を中高一貫校が占める中、3年制の府立校ながら、進学率は21年度より7.2ポイント高い49.2%となり、昨年トップの灘(兵庫)を逆転した。東大と京大の合計進学者数が21年度入試の65人から73人に増加、大阪大も34人から54人に増えたことが、進学率アップの要因となっている。