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ランドセルをリメイク、財布やパスケースのアイテムに 依頼が急増する工房に聞く人気の理由

2022.09.27

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小林 香織
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使い終わったランドセルの活用方法として、近年注目されている「ランドセルリメイク」。株式会社Askalカバン工房では、ランドセルから財布、パスケース、キーホルダーなど最大6点のアイテムを制作する独自サービスを提供し、好評を得ています。年々依頼が増加している「ランドセルリメイク」の人気の理由を、Askalカバン工房の代表取締役である大橋泰助さんに聞きました。(写真はランドセルリメイクのイメージ=Askalカバン工房提供)

Taisuke_Ohashi

話を聞いた人

大橋 泰助さん

株式会社Askalカバン工房 代表取締役

(おおはし たいすけ)1973生まれ、愛知県在住。サラリーマンをしながら、趣味のレザークラフトにはまる。39歳で個人事業主として独立し、2014年に法人化。2017年よりランドセルリメイク事業を開始。「ランドセルリメイクを文化に」を掲げて、百貨店・ランドセルメーカーと協同し、使い終えたランドセルの新たな価値観の提供を進めている。

現在は6ヵ月待ち。祖父母にプレゼントする人も

――近年注目を集めている「ランドセルリメイク」ですが、どんな方が利用されているのでしょうか?

お子さんが中高生になって、使い終わったランドセルを思い出として長く残したいという方がほとんどですね。多くの家庭では、ランドセルは思い出の品として自宅で保管されているようです。ただ、そのままだと大きくて場所を取りますし、ただ保管しておくより形を変えて長く使いたいという希望があるのだと思います。

毎年、メディアで一定数紹介されていますが、2022年は特に多く取り上げてもらっています。SNSでも反響が大きく、ツイッターで56.7万いいねが付き、6.4万件リツイートされた投稿や、ティックトックで200万回ほど再生された投稿がありました。ランドセルリメイクをされた方が口コミで広めてくれるケースも非常に多いです。SNSでの広がりを見ていると、若い方から受け入れられている手応えがあります。

――利用者からは、どんな反響がありますか?

よくお手紙などをいただくのですが、2020年は卒業式ができなかったお子さんの保護者から、「ランドセルをいい形で思い出に残せてよかった」という感謝の声がもっとも多く寄せられました。感染拡大後に休校となり、その後ランドセルを背負うことなく卒業することになってしまったケースが多かったのだと思います。

最近では、「ランドセルを買ってくれた祖父母にリメイクアイテムを贈った」というエピソードがよく聞かれますね。ランドセルの持ち主のお子さんのみならず、家族でシェアして使っている方も多いようです。

ランドセルリメイク_1
「祖父母にプレゼントして喜ばれた」という声が多いそう

――どれくらいの依頼があるのでしょうか?

毎年1.7倍ほどのペースで増加していて、2021年は約14,000個の依頼がありました。現在、倉庫でリメイクを待機しているランドセルが1万個ほどあり、今年はトータル2万個に達する勢いです。卒業シーズンの3~4月に依頼が集中することもあり、現在は6ヵ月ほどの待ち時間が発生しています。

ランドセルリメイク_2
倉庫にはリメイクを待っているランドセルが1万個ほど保管されている
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