一色清の「このニュースって何?」

台風14号が鹿児島に上陸 → 台風の基礎知識を身につけよう

2022.09.23

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一色 清
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台風の強さの目安

台風の強さの目安は中心気圧の低さです。台風14号は935ヘクトパスカルで上陸しました。これは過去に日本に上陸した台風の中で4番目に低く、2000年以降では最も低い気圧でした。気圧とは空気の圧力のことです。地球の重力は大気圏内にあるすべてのものにかかりますので、空気にも地表を押さえつける力があります。ヘクトパスカルはその力の強さを表す単位で、数字が小さいほどその力が弱いことになります。

大気は場所によって気圧が違います。気圧が高いところを高気圧、低いところを低気圧といいます。空気は気圧が高いところから低いところに流れます。気圧がとても低くなっている台風には、気圧の高いところから勢いよく空気が流れこみます。つまり、気圧が低い台風ほど空気の流れが強い、つまり風の強い台風とみることができます。また、台風は積乱雲の集まりなので、大量の雨も降らせます。

風雨以外で警戒しないといけないのは高潮です。高潮は海面の高さが急上昇するもので、沿岸の広い範囲が海水につかってしまうことがあります。高潮は原因によって二つに分けられます。ひとつは、沿岸に向けて吹く強い風によって海水が海岸に吹き寄せられる「吹き寄せ効果」によるものです。もうひとつは気圧が下がることによって海面が持ち上がる「吸い上げ効果」によるものです。このふたつの効果があわさると、高潮被害が大きくなります。

台風の風は進路の右側の方が強くなります。台風は空気の巨大な渦ですが、その渦は反時計回りに回っています。北半球では地球の自転の影響で進行方向に対して右寄りの力が働くためです。進路の右側では、台風を動かしている進行方向の風にこの反時計回りに吹く風が重なって強くなります。左側では進行方向に吹く風と反時計回りの風が打ち消し合うので、右側より風が弱くなります。たとえば、台風が東京湾を北上する場合には、千葉県で風が強く、神奈川県では千葉県より弱くなります。自分のいる場所が、地図上で台風の進路の右側にあるか左側にあるかを知っておくと、準備に役立ちます。

台風には目があります。雲の渦巻きの中心部にできる雲のない部分のことです。目がはっきりしている台風ほど強い傾向があります。台風が通過するときに台風の目に入った地域では、一時的に晴れ間が広がります。

台風についてこれから気になるのは、地球温暖化が進むことで台風が今よりもっと大きく強くなる可能性があることです。気温が上がれば上がるほど海水はたくさん蒸発し、台風のもとである水蒸気の量が増えます。積乱雲は発達し、空気の渦はさらに巨大化することが考えられます。とんでもなく強い風が吹いたり、ものすごい量の雨が降ったりする台風が発生する恐れがあります。人類は地球温暖化を食い止めることにもっと真剣に取り組まないと、巨大で猛烈な台風に苦しめられることになりそうです。

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