一色清の「このニュースって何?」

2026年サッカーW杯は48チームで → 優勝の決め方などで頭の体操をしよう

2022.11.04

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一色 清
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日々のニュースの中に「学び」のきっかけがあります。新聞を読みながら、テレビを見ながら、食卓やリビングでどう話しかけたら、わが子の知的好奇心にスイッチが入るでしょうか。ジャーナリストの一色清さんが毎週、保護者にヒントを教えます。(写真は、W杯カタール大会の抽選会。日本はE組に入り、モニターに森保一監督が映し出された=2022年4月1日、ドーハ、伊藤進之介撮影)

リーグ戦とトーナメントの組み合わせ

11月20日にサッカー・ワールドカップ(W杯)カタール大会が開かれます。今大会には世界各地区の予選を勝ち抜いた32の代表チームが参加して、12月18日の決勝戦まで熱い戦いが繰り広げられます。

サッカーは世界中の国で盛んにおこなわれている人気スポーツです。W杯はその最高峰の大会で、テレビなどの視聴者数は世界人口の約半数に上ります。オリンピックと並ぶかそれ以上ともいえるスポーツのビッグイベントであり、ビッグビジネスです。

カタール大会の次の2026年大会はアメリカ、カナダ、メキシコが共催する北米大会となりますが、この大会から出場チーム数が48になります。W杯の参加チーム数は1930年の第1回は13でしたが、34年の第2回から16になり、82年の第12回から24、98年の第16回から32に増えました。そして26年には48になります。出場チームを増やすのは、W杯をもっと盛り上げてもっと大きなビジネスにしたいという国際サッカー連盟(FIFA)の思惑があると見られています。

出場チームが増えると、優勝チームを決めるための方式や出場チームの決め方が変わってきます。これからその変化について説明しますが、そうした変化を通じて、算数や地理の勉強につながる頭の体操ができると思いますので、考えながら読んでください。

2チームあるいは2人が対戦して勝敗を決める球技などでは、優勝を決める方式が主にふたつあります。トーナメント方式とリーグ戦方式です。トーナメント方式は夏の全国高校野球選手権大会が有名ですが、負けたらそこで終わりのやり方です。勝ったチーム同士が試合をしていき、最後まで勝ち残ったチームが優勝です。リーグ戦方式は、プロ野球などでおこなわれている総当たり戦です。その結果、勝率や勝ち点などでトップになったチームが優勝となります。

トーナメント方式のいいところは、負ければ終わりなので緊迫した試合になることが挙げられます。また、参加チームが多くて日程や会場が限られる場合には、試合数が少なくてすむという利点があります。たとえば、48チームがトーナメントで戦うとすれば、1試合に1チームが負けていくので、一度も負けない優勝チームが決まるまで48-1=47試合ですみます。3位決定戦があったとしても48試合です。

ただ、トーナメントの場合は一発勝負のため本当に強いチームが途中で負けてしまう可能性が小さくないことが課題になります。また、1試合で終わるチームが半分あるため、「もっと試合をしたい」という選手の気持ちや「もっと見たい」というファンの期待に応えられないという課題もあります。

リーグ戦は逆で、本当に強いチームが優勝する可能性が高くなります。また、各チームが平等に試合数を消化することができます。一方で、負けが込んだチーム同士の試合などでは緊張感が欠けてしまいがちです。最高に盛り上がる決勝戦はないのがふつうです。また、試合数が多くなって大会運営が大変になることもあります。たとえば48チームでリーグ戦をしたとすると、48チームが47試合ずつすることになるので、試合数は48×47÷2=1128になります。こんなにたくさんの試合数を短期間でこなすのはまず不可能です。

そのため、サッカーW杯ではリーグ戦とトーナメントを組み合わせた形式にしています。32チーム参加のカタール大会ではまず、4チームずつ8組に分けてリーグ戦を行います。その上位2チームの計16チームが決勝トーナメントに進みます。そうなると試合数はリーグ戦のひとつの組で6試合ですから、リーグ戦の総試合数は6試合×8組=48試合になります。トーナメントは16-1=15。3位決定戦を加えると16試合になります。つまり、カタール大会の試合数は48+16=64です。

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