2023大学入試の動向

【大学入試直前情報】駿台・石原賢一さんに聞く、最新の志望状況分析

2022.12.06

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中村 正史
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大学入学共通テストが導入されて3年目になる2023年度大学入試の一般選抜が近づいてきました。学部系統別や個別大学の志望状況にどのような変化があるのでしょうか。最新の模試をもとに、入試直前の動向を駿台予備学校の石原賢一・進学情報部長に聞きました。(写真は、共通テストに臨む受験生たち=1月15日、静岡大学)

石原賢一

話を聞いた人

石原賢一さん

駿台予備学校進学情報部長

(いしはら・けんいち)駿台予備学校に入職し、学生指導、高校営業、カリキュラム編成を担当後、神戸校校舎長を経て2017年から駿台教育研究所進学情報部長。2022年6月から組織変更に伴い、駿台予備学校進学情報事業部長。

食糧への関心から農・水産が人気

10月末に実施した模試から、最新の受験動向を見ていきます。9月までの模試に比べると、少し現実的な志望に変わり、国公立大は難関大の志望者が減って準難関大が増えています。私立大は、首都圏の大学の志望者が減っており、関西の大学では増えています。

学部系統別に見ると、理系の人気が高い「理高文低」が続いています。国公立大で増えているのは、経済・経営・商、社会、総合科学、薬、農・水産です。社会が増えているのは、地方大の福祉系の増加が要因です。総合科学は、一橋大がソーシャル・データサイエンス学部を新設するなど、データサイエンスに志望者が集まっています。

反対に減少幅が大きいのが、外国語、国際関係です。人文科学、法も減っています。東大が顕著な例で、法学部に進むことが多い文一は学力層が下がっているのに対し、経済学部に進むことが多い文二は志望者が大幅に増えています。最も減少しているのが、文学部や教養学部などに進む文三です。コロナ前までは人気でしたが、国際系の不人気や就職面の不安から志望者が減っています。

私立大も似たような傾向です。増えているのは経済・経営・商、法、総合科学、医、薬、工、農・水産、芸術、減っているのは人文科学、外国語、国際関係、社会、教員養成・教育、生活科学です。芸術は映像系が人気です。

国公立大、私立大を含めて、今年の一つの目玉になっているのが農・水産です。数学の負担が重くなく、数学が苦手な人でも受験できることや、SDGsやウクライナ危機で食糧が注目されたことが背景にあります。このところ人気が下がっていましたが、今年は志望者が非常に増えています。

薬の人気はコロナでワクチンや新薬が注目されたためで、難関大の創薬系の志望者が増えています。ただ、中堅以下の薬学部では増えていません。

経済・経営・商は、募集定員が大きく、企業活動がコロナ禍から回復すれば志望者が戻ると予想していました。就職がいいこともあります。

外国語、国際関係は、コロナの影響から抜け出せていません。留学を必須にしているところは最近の円安で海外の物価が相対的に高くなったことも重なり、厳しいです。しばらく志望者は回復しないと思います。

理、工は、ほぼ横ばいか微増です。このところ増えていたので、これくらいが上限です。医も同様です。

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