算数・数学 学びのヒント

「やり方」を暗記するだけの学習から抜けだそう 有効なのは「間違い探し」

2022.12.09

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芳沢 光雄
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算数や数学は、公式や解法を暗記し、数字を当てはめて正しく計算できれば、正解にたどり着ける――。短絡的な受験勉強の弊害か、そんな「暗記数学」の迷路に入り込み、分数やパーセント(%)の本質を理解しないまま大学生になる若者がいます。数学者で、小学生から大学生まで幅広く数学の魅力を教えてきた桜美林大学リベラルアーツ学群の芳沢光雄教授が、中学・高校受験期の子どもにこそ理解してほしい算数・数学のツボを解説します。

正答率34.3%の衝撃

数学は「理解」するからこそ応用や新たな発想ができるのであり、「やり方」の暗記だけでは、その場はごまかせても後には何も残りません。ところが現状は、理解の学びはますます軽んじられており、様々な学力調査からも影響が浮き彫りになってきています。

たとえば、2012年度に文部科学省が実施した全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)で、小学6年を対象に出された次の問題です。「赤いテープの長さは120㎝」「赤いテープの長さは、白いテープの長さの0.6倍」という二つの条件を示し、四つの図の中から長さの関係を正しく表しているものを選ばせました。

「間違い探し」でプロセスを理解して「やり方」暗記から抜けだそう

正解は4です。基本的な知識を見る問題でしたが、正答率は34.3%しかありませんでした。

そこで筆者は、数年前から「理解」の重要性を著書やネット記事などで積極的に取り上げてきましたが、残念ながら広く浸透したとは思えませんでした。そんな時、ふと思いついたのが、世間によくある「間違い探し」の問題です。二つの絵や写真を見比べて、違う点を見つける「遊び」です。算数・数学の「間違い」を見つけるためには、暗記の学びはあまり役に立たず、理解の学びが役立つのです。さらに、「間違いはあるかもしれない。あったら直しなさい」という設問形式にするほうが、難易度は上がります。

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