どうなる中学・高校入試

【2023年度中学入試直前情報①】受験者数は増加続くと専門家は分析 中堅校に志願が集中か

2022.12.23

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川口敦子
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大学付属校、公立一貫校の動きは

――大学の付属校の動きをどう見ていますか。

付属校の人気は続いています。早慶でいえば、早稲田中で新校舎が完成予定で、倍率も注目されます。GMARCHも全体的に依然として人気が高いです。これは私立大の定員厳格化の影響が大きいと思います。中央、法政、明治などの付属校は、内部推薦を維持したまま他大学を受けられる制度があるのが魅力です。一方、日本学園は3年後の26年から「明治大学付属世田谷」と校名変更して明治の付属となり、今回受験する子たちが高校に進学する時点で共学化します。7割推薦を目指すとホームページにもありますから、23年度は目玉校になるでしょう。実際、直前模試でも受験者数が驚異的な増加率となっています。法政との高大連携を拡大した三輪田学園も人気で、女子校の中では注目されます。

日大、東洋、東海の付属各校も増加傾向です。改革途上の大学受験を回避したいというよりも、ICT教育に力を入れていたり、英語4技能の教育に先進的な取り組みをしていたりとポジティブな理由での志願者が増えている感触です。学校名のブランドよりも、学部学科が多いところを選びたいと考える保護者もいます。

若い世代が親になり、価値観が変わりつつあるなという気がします。

――公立中高一貫校はどうでしょうか。

約1万8千人が受検するものの、合格者は約3400人という狭き門。実質的にほとんどが落ちてしまうということが世間に知れ渡った結果、ほぼ横ばいです。せっかく対策を講じてきたのに1回勝負で終わってしまうのはもったいないというので、近年は公立中高一貫校を志願する受験生の3分の1が私立中を併願しています。

私立中の4教科試験の中に適性検査に近い考える力を問う出題を盛り込む学校も増えてきています。「あなたの考えはどうですか」という設問では、従来の私立型の勉強だけしてきた受験生は空欄で飛ばしてしまう子もいましたが、最近はみんなしっかり書いてくる。私立と公立中高一貫の垣根が低くなっている感じがします。

神奈川県は県立の中高一貫2校でグループ活動を中止しています。茨城県では県立トップ校が中高一貫になり、ブームが起きていますね。

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