子どものお金教育

100万円あったらどう使う? 高校家庭科で始まった株式や投資信託を教える授業

2023.01.17

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岩波 精
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今年度から高校の新たな学習指導要領が実施され、家庭科で株式や債券、投資信託など金融商品のメリットやデメリットを教えることになりました。家計のリスク管理や資産形成についての学習の一環ですが、どのような授業が展開されているのでしょう。現場を訪ねました。(写真は、原油価格高騰や自然災害など、家計に与えるリスク要因について説明する岩澤未奈教諭=都立国際高校)

100万円たまったら何に使う?

「100万円たまったら何にいくら使う?」。昨年11月下旬、東京都立国際高校(目黒区)2年の家庭科の授業で、岩澤未奈教諭が問いかけた。この日は国際学科の約20人が資産形成について学んでいた。「コスメに5万円」「20万円は貯金に回す」といった意見が出る中で「全部投資する」と答える生徒も。岩澤教諭は「ここ1、2年で投資と答える生徒が多くなった印象がある。ニュースで投資という言葉を耳にする機会が増え、身近に感じるようになったのかもしれません」と話す。

高校の新学習指導要領は、2022年度の1年生から年次進行で導入される。家庭科で教える金融教育については「預貯金、民間保険、株式、債券、投資信託等の基本的な金融商品の特徴(メリット、デメリット)、資産形成の視点にも触れるようにする」とされている。

岩澤教諭は以前から、「主体的に自分の人生をデザインできるようになってほしい」と願い、家計管理や生活設計についての教育に力を入れてきた。

とりかえ)文中P金融教育②机間巡視GOC
写真は、家計のリスク管理について説明する岩澤教諭=都立国際高校

この日の授業では、「投資は正しい情報を集めて主体的に判断し、利益を見込むもの。投機やギャンブルと違い、長期的に運用するもの」だと説明。いまの日本では普通預金の金利が0.001%にとどまり、インフレの影響を考えると実質的に目減りしていくとしたうえで、「貯蓄は元本の保証があるが、家計の様々なリスクに対応できない。資産形成の方法を学ぶことが必要」だと伝えた。さらに、預貯金や株式、債券、投資信託など金融商品ごとのリスクとリターンを示し、異なる特徴を持つ商品に分散投資することの重要性についても解説した。

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