英語嫌いにさせない!

中学受験に合格したら、入学前にやっておくべき英語の学習がある?

2023.01.25

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葉山 梢
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中学受験組にとって、小学校の英語との向き合い方は悩ましい問題です。私立の中高一貫校は英語教育に力を入れていることが多く、入学後についていけるか不安になる一方で、国算社理の受験勉強で手いっぱいになりがちだからです。中学入学までに、これだけはやっておいたほうがいいということはあるのでしょうか。(写真は、ネイティブの教員が教える開智日本橋学園の美術の授業=同校提供)

2015年に女子校から共学化した開智日本橋学園中学・高校(東京都中央区)は、国際バカロレアの認定校となり、英語教育を強化している。

教員の3割はネイティブかバイリンガルの英語話者で、担任や部活なども担当する。英語を特に重視する「デュアルランゲージコース(DLC)」では、中1の2学期からホームルームの時間が英語になる。一般向けの「リーディングコース(LC)」でも、中3から美術や技術の授業を英語で実施している。近藤健志・校長代理は「『使える英語』を身につけるには、英語の授業だけでなく日常で英語を使う場面を増やし、必要性を感じることが大事と考えた」と狙いを語る。

入試では、DLCとLCのどちらのコースも英語は課していない。「やる気があり、他の教科でコツコツ努力できる子であれば、英語はゼロからでもできるようになる」と近藤校長代理。「やり方をまちがえて嫌いになるより、世界に興味を持つことのほうが大事です」

同校には帰国生やインターナショナルスクール出身者が対象の「グローバルリーディングコース(GLC)」もあり、半数弱の授業は英語で実施される等、日本の学校(一条校)とインター校両方の特長を取り入れている。22年度の卒業生で海外大に進学した8人のうち、半数は海外在住経験なしの生徒だったという。

英語は「中学からでもできる」

頌栄女子学院中学・高校(東京都港区)で英語を担当する亀村英俊教諭も「英語は小学校の授業だけで十分。中学で基礎からやるので、それ以上やる必要はない」と強調する。中学受験の合格者には、入学前にアルファベットを書く宿題を出し、授業はその復習から入るという。

頌栄女子学院の英語の授業は習熟度別の少人数クラスで実施されている(同校提供)
頌栄女子学院の英語の授業は習熟度別の少人数クラスで実施されている(同校提供)


生徒の約2割は帰国生が占める。5つあるホームルームクラスのうち3クラスでは中1から帰国生と一般生が交ざるため、「帰国生のように英語を話したいという気持ちが自然に生まれます」(亀村教諭)。

ただし、コミュニケーションを意識した授業を行う一方で、文法が抜け落ちないよう注意している。大学入試ではまだ読み書きの力が問われることが多く、生徒の要望も踏まえてこの形にしている。10年ほど前からスピーキングやリスニングも重視したストーリー仕立ての文法テキストを導入してきたが、生徒のアンケートで「何を学ぶためにやっているのか分からない」「もっと文の成り立ちを教えてほしい」といった意見があり、体系的に文法を学べるテキストに戻した学年もあるという。

英語入試も検討したことはあるが、「これ以上負担が増えると受験生がパンクしてしまうのでは」との懸念から、導入には至っていない。亀村教諭は「英語は中学からでもできるので、小学校時代は遊びを通してコミュニケーション能力を高めることなどに力を注いでほしい」と話す。

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