保護者のためのネットリテラシー講座

中高生の「SNSでの出会い」が日常化 赤荻瞳さんと考えるメリットとリスク

2023.02.08

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小林 香織
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中高生にとって日常生活に欠かせないSNS。株式会社テスティーが全国の学生4226名を対象に調査した結果では、中学生の97.3%、高校生の98.9%がSNSを利用しており、LINE、Instagram、Tik Tokの順に人気がありました。 一方で、SNSに起因する被害児童数も増加傾向にあります。中高生のSNSでの交流事情やリスクとの向き合い方などについて、雑誌「egg」の元編集長・赤荻瞳さんに聞きました。

Hitomi_Akaogi

話を聞いた人

赤荻 瞳さん

渋谷女子インターナショナルスクール 校長

(あかおぎ・ひとみ)株式会社エムアールエー代表取締役社長。21歳で女性向け雑誌「egg」の編集長に就任し、休刊となっていた雑誌を4年ぶりに復活させる。起業家やグローバルインフルエンサーを育てる「渋谷女子インターナショナルスクール」を創設し、校長に就任。2023年4月に開校する。

情報取得や交流に欠かせないインフラ

――現在では、ほとんどの中高生がSNSを日常的に利用しています。彼らにとって、SNSはどんな存在でしょうか。

一般的には、「新しい情報の取得」と「友達との交流」という2つの側面が大きいと思います。加えて、情報発信をしたい人にとっては、「自分自身を表現する場」にもなっているでしょう。現代の中高生はテレビを見たり、雑誌を買ったりという行動が減り、情報源はSNSが中心という子がほとんどの印象です。好みのファッションやメイク、行きたいレストランや旅行先を見つけるのはSNS経由が日常的ですね。

友達との交流はLINEが中心だと思いますが、最近はInstagramのダイレクトメッセージで連絡を取り合う人も増えています。今やSNSはテレビよりも身近な存在で、日常生活に欠かせないものではないかなと思います。

――インフラといえるぐらい浸透しているのですね。複数のSNSやアカウントを使い分けている中高生も多いと聞きます。

利用者が多いのは、LINE、Tik Tok、Instagram、You Tubeで、複数のSNSに登録している中高生は確かに多いですね。アカウントは、公に自分を発信する「メインアカ」、仲がいい友達とだけつながる「裏アカ」、趣味に関する情報発信・収集専用の「趣味アカ」を使い分けている子が多くいます。

「裏アカ」は、ネガティブな発信が多い“はけ口”のような印象があるかもしれませんが、「好きな相手には見られたくないけど、友達間でおもしろさを共有したい」くらいの感覚の子が多い気がします。

――フォロー・相互フォローしているのは、学校の友達が中心でしょうか。

私自身が中高生だった約10年前は、リアルで知っている学校の友達が中心でしたが、友達の友達ぐらいまでフォローの輪が広がることはありました。会ったことはないけれど、友達経由で話を聞いてフォローした、高校入学直前に同じ高校に通う子を見つけて交流するといった感じです。

最近だと、同じ趣味を持った人と趣味アカでカジュアルにつながるケースが増えたかもしれません。一度も対面で会ったことがなくても、SNS上で相互フォローしている関係を当たり前に「友達」と呼ぶ中高生も多くいます。大人が思うより、SNSでのつながりを重要視しているのだろうなと感じます。

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