学習と健康・成長
勝ち負けを気にしない「ゆる部活」って、どんな活動をするの?
2023.03.02

生徒数減少による運動部の廃部や生活習慣の変化などによる子どもの運動不足が課題とされるなか、スポーツ庁が推奨するのが、勝ち負けにこだわらずに運動に取り組む「ゆる部活」です。新たなスタイルの部活動に先進的に取り組む2つの中学校に、活動内容と反響を聞きました。(写真は部活中にバドミントンをプレーする生徒=世田谷区立東深沢中提供)
全校生徒40人以下、小規模校の「フリースポーツ部」
京都府の山間部にある京丹波町立和知中学校では、2021年4月に「フリースポーツ部」ができました。現在の全校生徒は40人に届きません。生徒数の減少に伴い、ここ数年でいくつも部活動が消滅し、残ったのは「野球」と「バドミントン」だけでした。
部活の選択肢が2つでは楽しめない生徒もいるだろうと、さまざまな種目を扱う「フリースポーツ」が新設されたのです。現在は、7名の1・2年生が所属しています。
同部では、月曜日にバレーボール、火曜日にトレーニング、木曜日にバレーボール、金曜日にバスケットボール、土曜日は卓球とバレーボール、あるいは卓球とバスケットボールと、曜日ごとに種目が決まっています。
「年度の初めにミーティングを行い、生徒の希望を聞きながら種目を決めます。設備の都合上できること、できないことがあるので、体育の授業でできるような種目が中心です。加えて、地域と連携してカヌーやインラインスケートの体験も行っています」(フリースポーツ部顧問・大瀧新先生)


同部に参加する生徒からは、「さまざまなスポーツができるので飽きずに活動できる」と好評のようです。入学前はバスケットボール部への入部を希望していた、同部長の舞谷彩花さん(2年生)は、「活動するうちに他のスポーツも好きになった」と話します。
「メンバーはみんな仲が良くて、楽しく活動できています。最初、バレーボールには興味がなかったのですが、今は好きになりました。新しく入学する新1年生にも、いろいろなスポーツが楽しめるフリースポーツの魅力を伝えたいです」(舞谷さん)
運動があまり得意ではないという湯浅愛夏さん(1年生)は、「部活を通して運動の楽しさを感じた」といいます。
「バレーボールを体験してみて楽しかったので入部しました。今ではバスケットボールも少し楽しいと感じるようになりました。前よりは運動嫌いがマシになったと思います」(湯浅さん)
フリースポーツ部が何かの種目で正式な大会に出場することはありませんが、生徒たちの希望により、時に他校と練習試合をすることも。先日は、少々のハンデを設けつつバレーボールの試合で初勝利を飾り、生徒のモチベーションがグッと高まったそうです。