ハイスクールラプソディー
Yondemy代表取締役・笹沼颯太さん 東大在学中の起業につながった、筑波大付属駒場の文化祭での体験
2023.04.21

東京大在学中に起業し、小学生向けの読書応援アプリをつくった笹沼颯太さんは、卒業生の半数以上が東京大に進学する筑波大付属駒場中・高(筑駒)の出身です。多彩な人が集う伝統校の学校生活について聞きました。 写真/高橋奈緒
ささぬま・そうた╱筑波大付属駒場中・高を卒業。この春、東京大を卒業。筑駒時代に、ワークショップ形式の読書・作文授業を先駆的に行っていた澤田英輔氏(現在は軽井沢風越学園の教師)の指導を受け、その経験をもとに2020年4月、中学以来の友人とYondemyを起業。同年12月に「ヨンデミーオンライン」のサービス提供を開始。
筑駒に入学して挫折を感じたとか?
中学受験をして、筑駒に入学すると、同級生の6、7割は都内の同じ大手進学塾に通っていた子たちで、千葉の小さな塾に通っていた僕は、知り合いがいませんでした。
それに地元の小学校では成績トップだったのに、トップにはなかなかなれません。算数がすごく得意で自信がありましたが、すでに「数学」をやっている子がいたり、当時は知らなかった算数オリンピックという大会に出ている子もいたり。ピアノのショパン国際コンクールin ASIA で「銀賞を受賞しました」という同級生もいて、「えっ、日本じゃなくてアジアで?」と、想像を超えるすごさに驚きました。それと同時に、自分には得意なものがないように感じ、何か個性を見つけたいと焦る気持ちになりました。
それは僕だけではなく、多くの筑駒生が入学して感じる最初の挫折です。そんな僕たちの支えになったのが「一つの分野で勝とうとするのではなく、強みは掛け算で見つけていこう」という、筑駒で代々言われることばです。たとえば数学で全人類の0.1%の人材になろうとするのは大変だけれど、上位10%に入る得意なものが三つあったら、掛け算して0.1%になるのだから、と。
