スクールリポート
「女子には無理」を変えたい 日大豊山女子・柳澤一恵校長に聞く「母親目線」の改革
2023.05.31

不祥事に揺れた日本大学は昨年、林真理子理事長体制に変わり、一歩一歩改革を進めています。その理事会に“初の付属校代表”かつ“女性初”で加わったのが、日本大学豊山女子高校・中学(東京都板橋区)の柳澤一恵校長。日本大学付属中高で唯一の女子校で進める教育改革への思いを聞きました。(撮影/山本友来)
(やなぎさわ・かずえ)日本大学三島高校、日本大学豊山高校・中学を経て、2016年に日本大学豊山女子高校・中学に同校初の女性校長として着任。中学の新たな教育プログラムや、高校の特進クラス設置、海外研修や留学の開始などの改革を推進している。働き方改革にも着手。22年から、日本大学の理事も務める。
経験からヒントをつかんでほしい
――林理事長になって日本大学は変わりましたか。
林理事長と私はともに、日本大学出身、一人娘の母親という共通点があります。お忙しい方なのに、本当によく目配りされています。理事会も活発な議論の場になりました。大学の不祥事が中高の募集に影響がなかったとは言えませんが、林理事長も言うように、「マッチョな体質」の弊害が出た組織を変えている最中です。昨年10月から、日本大学の学生、大学院生、専門学校生、付属高校生までを対象とした「理事長・学長セレクト講座」が始まっていて、和田秀樹常務理事、茂木健一郎さん、堀江貴文さん、古市憲寿さん、落合陽一さんの講演が行われました。6月は、森保一さんがゲストです。これまでなら呼びたくても呼べなかったような、日本大学の卒業生・関係者に限らない多彩な人たちで、学生・生徒にも好評です。
――大学側は日本大学豊山女子を、どのように見ているのでしょうか。
女子校という特徴をわかってくれています。日本大学に進学した日本大学豊山女子(以下、豊山女子)出身者は、大学でも評価が高いです。男子がいない女子校出身で、自分たちで決めて行動する力もありますし、私が赴任した翌年からタブレットを導入し、プレゼンテーションも重視してきたので、そうした力も評価されていると思います。20年のコロナの休校時には、すでにタブレットを生徒全員が持ち活用しており、オンライン授業もできたので、早めにやっておいて良かったと思いました。