【動画】毎週金曜・土曜に夜間開館を実施しているプーシキン美術館展。7月27日にはロシアにちなんだコンサートも開かれた=福野聡子撮影

 手であやつる不思議な楽器の演奏と名画で週末の夜を楽しんで――。モスクワの美術館の風景画を集めた「プーシキン美術館展」(朝日新聞社など主催)が開かれている大阪・国立国際美術館で、ロシアゆかりの電子楽器・テルミンとマトリョミンのロビーコンサートが7月27日夕にあった。同展では、毎週金曜・土曜に夜間開館(午後5時~9時)を実施しており、そのPRも兼ねた催し。約300人が夜間の美術館での「ロシアなひととき」を味わった。

■どんな楽器?

 テルミンは、1920年ごろにロシアで発明された楽器で、アンテナに手を近づけたり遠ざけたりして音をコントロールする。マトリョミンは、その機能を簡便化してロシアのマトリョーシカ人形の中に収めた楽器で、日本のテルミン奏者、竹内正実さん(51)が開発。かわいい外観も手伝って、15年前に量産モデルが開発された後は5千体が出荷されているという。

 コンサートは2回行われ、音楽監督を務める竹内さんやマトリョミン・アンサンブル「Mable and Da(マーブル・アンド・ダー)」の奏者の26人が出演。竹内さんは「こんな暑い日には、涼しい美術館で美術や音楽に触れるのがいい時間の過ごし方では」と聴衆に語りかけた。

■どんな音?

 マトリョミンの演奏は足を組み、耳に聴診器という独特のスタイル。微妙な手の動きで「ヒューン」「ウィーン」という柔らかな音色を響かせ、「アメイジング・グレイス」やロシア民謡「カチューシャ」などを披露した。

 コンサート終了後は、マトリョミンの演奏体験もあり、奏者がマンツーマンで音の出し方を説明。小さな子どもも恐る恐るマトリョミンに手を近づけ、不思議な音を体感していた。

■作品の写真撮影OK

 この日は夜間開館日(午後9時まで)の金曜日で、展覧会会場は午後5時以降、写真撮影がOKに(一部の作品と、映像を除く)。モネの「草上の昼食」「白い睡蓮(すいれん)」、ルソーの「馬を襲うジャガー」など風景画の秀作が並ぶ会場では、絵のそばで足を止め、スマホやカメラで写真撮影をする人の姿も。

 展覧会を見た後、コンサートや演奏体験に参加したという大阪市在住の足達富子さん(69)は「マトリョミンは音階を取るのが難しかったが、貴重な体験ができた」とにっこり。「アートを学ぶ若い人のためにも、夜間開館や写真撮影OKなどオープンな取り組みが増えれば」と話していた。

 展覧会は10月14日まで。コンサートはこの日限りだが、展覧会のグッズ売り場には、マトリョーシカなどの民芸品やロシア語のアルファベットをあしらったバッジなどが並び、ロシア雑貨選びを楽しめる。

 展覧会の詳細は、公式サイト(http://pushkin2018.jp/別ウインドウで開きます)へ。同展では、夜間開館で撮影した写真のSNSへのアップも呼びかけている。

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