地球上に5400種以上生息する哺乳類の多様性に触れられる展覧会「大哺乳類展2」が、東京・上野の国立科学博物館で開催中だ。動物好きとして知られ、音声ガイドを担当する俳優の瀬戸康史さんが会場を巡り、展示の迫力や細部へのこだわりに見入った。

 ■大小さまざま「圧倒された」

 「うわぁ、でっかい」

 展示室を入ってすぐに現れる約5メートルの巨大なアフリカゾウの全身骨格に、思わず声を上げた瀬戸さん。アフリカゾウは陸上最大の哺乳類だ。

 その骨格を見下ろすようにつるされているのは、シロナガスクジラの下あごの骨。体長約30メートルにもなるシロナガスクジラは、現在生息する地球上最大の動物で、下あごの骨だけで約6メートルもある。「資料で読んで知っていても、実際に見ると圧倒されますね」

 手前には体長10センチに満たないオナガテンレックなどの骨格標本も並ぶ。まずは大小さまざまな哺乳類のサイズ感から、その多様性を体感できる。

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 展覧会のテーマは「生き残り作戦」。移動運動(ロコモーション)もその一つだ。「哺乳類にとって、効率よくエサを食べ、また、安全に子育てできる場所を求めて、移動することが重要。その基本となる体の仕組みから見ていきます」。監修者で、陸の哺乳類を研究する国立科学博物館の川田伸一郎研究主幹が説明する。

 例えば立ち方でも、ジャイアントパンダのようにかかとをつける安定性を重視したタイプと、ライオンのようにかかとはつけず指で立つ機動性に優れたタイプなどがいる。

 移動運動をより分かりやすくするのが映像展示だ。100メートルを3秒台で走るチーターが、ウシ科のトムソンガゼルを追う映像に思わず見入った瀬戸さん。「やっぱり肉食動物は強そうで格好いい。僕は『草食男子』と言われがちなんですけど、自分自身では肉食だと思っています」

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 会場中央に約200種の哺乳類が並ぶ圧巻のステージ「哺乳類大行進」が見えてきた。ネズミの仲間「齧歯(げっし)目」、コウモリの仲間「翼手目」など、分類ごとに剥製(はくせい)が展示されている。小さい頃から動物が大好きだという瀬戸さんも「これはずっと見ていられる」と興奮気味。

 「大きすぎて気付かなかった」と見上げたのは、約16メートルのマッコウクジラの骨格標本。半身は模型で再現して体内の仕組みがわかるようになっている。「ヒレの骨を見ると五本指みたいで、人とも似ている。こんなに大きくても同じ哺乳類なんだな、って実感しますね」

 ツノを持つ哺乳類がズラリと並ぶ展示で、ウシ科のヒマラヤタールの剥製をのぞき込んだ瀬戸さん。「草食動物の目は瞳孔が横向きで優しげ。肉食動物は縦向きで鋭い。そこまで再現してあるんですね」

 来場者が直接手を触れられる展示もある。クジラの仲間イッカクは、最大3メートルにもなる長い牙に触れる。監修者で海の哺乳類を研究する同館の田島木綿子研究主幹は「牙はオスにしか生えず、メスへの求愛のためにあると考えられています。エサを食べる時には邪魔になるので、エサを吸い込むように食べるんですよ」と話す。

 展示を見終えた瀬戸さん。「入ってすぐの巨大な骨格への驚きから、この空間に一気に吸い込まれました。哺乳類のことが深く分かるし、剥製を作る人たちの細かい技も感じられる。時間がある時に来てじっくり見てほしいです。僕もまた来ます」と話した。

 ■描き下ろし作品も

 本展第2会場では、哺乳類をテーマにクリエーターが描いた作品を紹介する展示「アートオブママルズ(Art of Mammals)」がある。普段から絵を描いているという瀬戸さんが、タブレット端末を使って約1カ月で描き上げた作品「mammalian&technology」も並ぶ。「展覧会のテーマでもある『生き残る手段』を考えると、これからは科学の力は欠かせない。そういう目線で描きました」

 ■東京・上野で6月16日まで

 ◇6月16日[日]まで、東京・上野の国立科学博物館。午前9時~午後5時。金曜、土曜と4月28日[日]~5月5日[日][祝]は午後8時まで、5月6日[月][休]は午後6時まで。入場はいずれも閉館の30分前まで。月曜および5月7日[火]は休館(ただし4月29日、5月6日、6月10日は開館)

 ◇一般・大学生1600円、小・中・高校生600円、未就学児は無料

 ◇問い合わせ ハローダイヤル03・5777・8600

 ◇公式サイト https://mammal-2.jp

 <主催> 国立科学博物館、朝日新聞社、TBS、BS-TBS

 <後援> 日本動物園水族館協会、東京都恩賜上野動物園、日本哺乳類学会

 <学術協力> 山口大学

 <協賛> 凸版印刷

 ■「獣(じゅう)連休」企画

 5月6日までのゴールデンウィーク中、「10(獣)連休キャンペーン」として、音声ガイド(550円)の利用者各日先着300人に「つけ耳」をプレゼント。監修の研究者らによるスペシャルトークも。詳しくは公式サイト。

 ■迫力満点の会場内を撮影したフォトギャラリーを、朝日新聞デジタル(https://www.asahi.com/gallery/photo/mammals2/)で公開中。

 ■会場内をぐるりと見渡せる360度画像をスマホアプリ「NewsVR」で紹介。YouTubeの朝日新聞公式チャンネル(https://youtu.be/bxh_GnSZ8po)でも動画が見られます。

 ◇この特集は伊藤綾が担当しました

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