陽気でちゃめっ気があるミッキーマウス。1928年、米ブロードウェーの劇場で、トーキーアニメーションの主人公として生まれた小さな1匹の「ネズミ」が、今や世界中の人々に愛され、夢やインスピレーションを与え続けている。東京・六本木の森アーツセンターギャラリーで開催中の「ミッキーマウス展 THE TRUE ORIGINAL & BEYOND」からエネルギーを浴びてみませんか。

 ■作家たち、ほとばしる愛と色彩

 「現代=THE TRUE ORIGINAL」のゾーンには、現代アーティストたちの作品が並ぶ。2018~19年、米ニューヨークでミッキーマウスのスクリーンデビュー90周年を記念した展覧会が開かれた。そこからえりすぐられた作品群だ。

 ゾーンの中の「色彩の爆発」のエリアは、サイケデリックな色合いと作家の情熱が充満している。

 時代に応じてデザインが変化した、たくさんのミッキーマウスのぬいぐるみを集め、モニュメントのように仕上げたシニク・スミスの作品「Bale Variant No.0026(Ode to Mickey Mouse, My First Love)」は圧巻だ。

 おなじみの表情のほかに、黒目だけのもの、歯が見えているもの、とんがり帽子やサングラス姿など、いろいろな個性が交錯している。作者は「ぜんぶ抱きしめたくなるものばかり」という熱烈なファン。「愛」がほとばしっている。

 ロンドン・ケイの「Petite Supersonic Skein 2020」は、ミッキーマウスと流れ出す音楽を赤やピンク、オレンジなどカラフルな毛糸で編み上げた。音符がポップにはじける中、所々にミッキーマウスの両耳と顔を象徴化した三つの丸も連なって、楽しげに弾んでいる。フェンスに毛糸を結わえて展示。ほのぼのとした温かさが伝わる作品だ。

 「ポップカルチャーの象徴」のエリアでは、アマンダ・ロスホによる、クラシックな巨大Tシャツ「Untitled T-Shirt(NONAGENARIAN)」も登場。「大量生産品としての個人的・日常的なものに対する思索を表現」したという。

 ■移りゆく時代を映す、多彩な顔

 「未来=& BEYOND」のゾーンでは、日本人の若手アーティストの作品のほか、米国でディズニーのアニメーション制作に現役で携わる5人が、本展のために創作した作品も展示する。テーマは「未来の扉を開くミッキーマウス」。ディズニーアーティストの作品は、内側から光を当てられており、スクリーンを見るようだ。

 エリック・ゴールドバーグの「Future Mickey」は銀河のようなきらめく空間の中央に、扉を開くミッキーマウスを描いた。パラボラアンテナのような形の耳を持つメカニカルな姿は、未来の自分を想像したものだろうか。ゴールドバーグはミッキーマウスの存在を「アニメーションの精神を体現」しているという。

 韓国出身のジン・キムによる「Ray of Tomorrow」には、宇宙飛行士を想起させるヘルメットをかぶった少年が登場する。突き出た「耳」から2本の芽が伸びる。地面にはミッキーマウスのシルエット。その影は「未来の世代と地球のよりグリーンな未来への希望の光の道しるべ」を表しているという。

 多彩な顔を持つミッキーマウス。時代や社会に応じて変わる人々の心も投影しているのかもしれない。(山根由起子)

 ■来年1月11日まで、東京・六本木で

 ◇2021年1月11日[月][祝]まで、東京・六本木の森アーツセンターギャラリー。午前10時~午後8時(12月29日、1月5日を除く火曜は午後5時まで)。入館は閉館の30分前まで。会期中無休

 ◇一般2800円、中高生2千円、小学生1200円、未就学児無料

 ◇公式サイト mtob.exhibit.jp

 ◇問い合わせ ハローダイヤル03・5777・8600

 <主催> 朝日新聞社、日本テレビ放送網、森アーツセンター

 <協賛> ディズニー★JCBカード、エイブル、スタジオアリス

 <特別協力> ウォルト・ディズニー・ジャパン

 <展示協力> JKD Collective、ドリル、ソニーPCL、映像センター、ENEOS

 ◆来場前に「日時指定入館券」の購入が必要です。残券がある場合のみ、会場で当日券を販売します。詳細は公式サイトをご確認ください。

 ◆来場者特典として、オリジナルエコバッグ(全4種・非売品)のうち、いずれか一つをプレゼントします(未就学児は除く)。数量限定のため、なくなる場合があります。

 ◆会期などに変更の可能性があります。

 ◇会場風景、作品はいずれも(C)Disney

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