東京・上野の東京都美術館で開催中の「クリムト展 ウィーンと日本1900」。金を用いて女性を官能的に描いた豪華絢爛(けんらん)な作品もさることながら、涼しげで優美な風景画も見逃せない。

 クリムトはオーストリア西部にあるアッター湖畔で夏の休暇を過ごし、風景画の制作に取り組んだ。時には手こぎボートに乗ったり泳いだりして湖畔での生活を楽しんだという。

 クリムトの風景画は、点のように色を塗り重ねた印象派を思わせる筆致と、対象を平面的に描く構成が特徴的だ。

 湖に突き出した岬に立つ城を描いた「アッター湖畔のカンマー城Ⅲ」(1909もしくは10年)=写真=は、建築と風景の調和のとれた構図が落ち着いた印象を与える。城の建物と木々、湖面が実際よりも近い位置関係にあるように見えるが、これは制作の際に望遠鏡を使ったためだと考えられる。

 会場にはこの作品のほか、クリムトの風景画としては最初期の作品「雨後(鶏のいるザンクト・アガータの庭)」や色とりどりの花畑を描いた「丘の見える庭の風景」などが並ぶ。展覧会は7月10日まで、一般1600円など。

イベントピックアップ

特集